第2章:異分子の排除
第26話「休日」
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皆も気になっているみたいで、秋十君を凝視していた。
「親友...名前は五反田弾って言うんですけど、一言で言えばバカやって皆を楽しませてくれるような奴なんです。」
「ムードメーカーって奴か。」
「実際、バカな所もありましたけど。」
それは...まぁ、それでもいいか。ムードメーカーに変わりないし。
「弾と初めて会ったのは中学生になった時で、当初こそ俺を周りと同じような見方をしていました。....でも、単純な所もあったあいつは直接俺に会って貶してきて、その度に俺が否定してたからか、いつの間にか俺の理解者になっていたんですよ。」
「...単純故に、秋十君の本質を感じ取ったのかもな。」
「さぁ?今となっては分かりません。」
...まぁ、少なくとも、表面上しか見ない奴ではないと分かったな。
「...本当に、弾には助けられましたよ。アイツの言葉に対しても、正面から否定して、俺のために身を張った事もあったんですから。」
「...そりゃあ...俺たちからもお礼しないとな...。」
そこまで秋十君を助けてくれたんだからな。
束も、そうしようと思っているみたいだし、相応のお礼をいつかしてあげよう。
「...あたし達にとってはちょっと胸に来るわね...。」
「...でも、秋兄の味方でいてくれた事は本当にありがたいよ。」
かつて洗脳されていたとはいえ、秋十君にひどい事していた鈴とマドカちゃんは、ちょっと申し訳なさそうな顔をしていた。
「弾のおかげで、数は少ないものの、何人か俺の事を理解してくれました。」
「...いい親友だな。」
....よし、何か困った事があったら無償で協力してあげよう。
「ねーねー、あっ君。」
「なんですか?たb...有栖さん。」
そこで何かに気付いた束が秋十君を呼ぶ。
「...その弾君って、もしかして彼?」
「え?」
ふと、束が指差した方向...五反田食堂の二階を見ると、部屋の窓から赤い髪の青年がこっちを見て窓から離れるのが見えた。
「あ、どっか行っちゃった。」
「...すぐ来るだろうよ。」
離れるとき、随分と慌てていた。多分、確かめに降りてくるはず。
「おい弾!いきなりどこ行くつもりだ!!」
「至急確かめたい事があるんだ!見逃してくれ!」
ドタバタと店の中から聞こえ、裏口辺りから誰かが出てくる。
「秋十っ!?」
「...久しぶりだな。弾。」
焦ったような様子で出てきた弾なる人物は、秋十君が本人であると分かると、凄い勢いで秋十君の肩を掴んできた。
「お前、無事だったんだな!?行方不明になったって聞
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