暁 〜小説投稿サイト〜
IS〜夢を追い求める者〜
第2章:異分子の排除
第26話「休日」
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..なぁ?」

「愛しの兄妹達に会いに来たのだー。」

  あまりパッとしない感じの、長めの茶髪。
  それが今の束...篠咲有栖としての恰好だ。(それでも十分美人だが。)
  ちなみに、今言った理由は本当である。

「と、言う訳で今日はこの五人でエンジョイするぞ。」

「それじゃあ、レッツゴー!」

  俺と束が先導して、俺たちは出発する。

「母さんも、会社での仕事頑張って。」

「ええ。皆、楽しんできてね。」

  束を送ってくれた母さんは、そう言って車で会社へと戻っていった。

「さて...どこ行こうか...。」

「...あ、できれば...あの街に行ってみたいです。」

  秋十君が徐にそう言う。
  “あの街”とは...かつて秋十君達や俺が暮らしていた、故郷の事だ。

「....あたしも、行っておきたいわ。引っ越す前はそこに住んでいたんだから。」

「なら、決まりだな。」

「私も寄っておきたかったんだよねー。」

  今更だが、皆あの街に縁があるんだな...。
  皆が皆、元々は住んでいた訳だし。

「じゃ、目的地も決まった事だしさっさと行くか。」

  そういう訳で、俺たちは目的地へと向かった。







  そんなこんなで、あっさりと俺たちの元いた街へと着いた。

「...あまり、変わった訳じゃないな。」

「うーん...俺からしたら結構変わったかな。」

  俺が鮮明に覚えている街並みは十年以上前だからな。
  母さんを迎えに来た時にも少し見たけど、それだけだったし。

「...久しぶりだな...。」

「私の場合、もっと久しぶりだけどなぁ...。」

  秋十君とマドカちゃんがそれぞれそう言う。
  ...二人共、自分から街を去った訳じゃないもんな。

「...あいつ、元気にしてるかな?」

「“あいつ”...?」

  秋十君がふと呟いた言葉に、皆心当たりがないらしく首を傾げる。

「...あー、俺の、数少ない味方をしてくれた親友です。食堂を営んでいる家なので...。」

「...じゃあ、昼もそこにしようか。案内してくれるか?」

「任せてください。」

  散々虐められていた秋十君にも味方がいた事に安堵し、俺たちはその食堂へと向かった。







「....五反田食堂...か。」

「...あー、準備中...来るの早すぎましたね。」

  秋十君に案内されて辿り着いた食堂は、まだ準備中だった。
  昼までまだまだあるし、どう考えても早すぎた。

「せっかくだから、その親友について教えてくれないか?時間も潰せるだろうし。」

「あ、そうですね。」

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