暁 〜小説投稿サイト〜
ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第十六話その3 後方支援体制構築も大切です!
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憲兵隊副総監。憲兵隊と言ってもその内情は腐敗しているから、私の前世のものとは比べ物にならないけれど。生まれてしばらくして、エルマージュ侯爵家は代々憲兵隊を指揮してきた家柄で、社会秩序維持局ともつながりがあるということを知ったわ。そのおかげか、帝国内で発禁されている図書も私の家にはあった。ジークマイスター提督のようね。私は亡命はしないけれど。
この世界での父親は職務熱心、それに反して母親は遊び好き。いつも家にはいなかった。子供の頃の私は使用人を相手にして暮らしてきたようなものだったわ。
だからこうして外に出られるのだけれど、それにしてもここでアレーナ・フォン・ランディールと会うなんて・・・・。
上から呼ばれた時はびっくりしたわ。道端に誰もいなかったのがせめてもの救いよ。仮にもここの世界で貴族ともあろう者があんな大声を出すことはおかしいもの。
「ヴァリエ、久しぶりね〜。いくつになったの?」
13歳よ、と答えた私に、じゃあフィオーナやティアナと同じ年ね、と言われたわ。そう、フィオーナもティアナもこの世界に来ていたのね。彼女たちと私は前世では騎士士官学校同期だったから、きっと同い年だろうとは予想はしていたけれど。
私はアレーナ・フォン・ランディールに対してあまりいい感情を持ってないわ。あんな飄々としてつかみどころがない人は見たことがないし、話していてもいったいどこが本心なのかわからないから。まるでウナギよ。
アレーナ・フォン・ランディールはひとしきり私の身辺のことを聞き、自分のことをざっと話した後、今現在の状況を整理して話した。
「私もこの世界に転生した目的はラインハルト・フォン・ローエングラムを助けることだとは知っているわ」
私は言った。正直なところ、転生だなんて有難迷惑だったけれど、またフィオーナとタッグを組めるのなら、悪くはない話だと思っている。
「なら、話は早いわ。私一人だと正直手が足りないのよね〜。今イルーナ、フィオーナ、ティアナは帝国軍に入っているわ。将来の艦隊司令官候補としてね。一方の私は帝都に置いて下地を作ってるっていう寸法よ。あんたは前世は監察官だったでしょ?剣の腕もすごかったけれど、どっちかっていうと内政向きなタイプよね?だからあんたも帝都組として、私に協力してくれると助かるんだけれど?」
「私はあなたには協力しないわ。ラインハルト・フォン・ローエングラム若しくはフィオーナのためになら協力する」
「どっちでも一緒だけれどね」
一緒?!一瞬カチンと来たが、当の本人は飄々としていて一向に気にしていない様子だった。
「一緒じゃないわよ、私の気持ちの問題なの!!」
私の剣幕がすごかったのか、アレーナはすまなそうな態度になった。
「あ〜〜ごめんね」
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