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英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜(閃U篇)
第51話
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が無力だった……―――ただそれだけです。」
過去を聞き終えたリィンに尋ねられたクレア大尉は苦笑した後静かな表情になり
「……今でもたまに思うんです…………私はあの子の姉としてあの子の短い生涯を幸せにできたのか、と。」
やがて辛そうな表情で呟いた。
「…………あくまで俺の推測ですが、弟さんは幸せだったと思います。」
静かな表情で黙り込んでいたリィンはクレア大尉を見て呟き
「え……な、何故ですか?」
リィンの答えを聞いたクレア大尉は戸惑いの表情で尋ねた。
「以前にも答えましたがクレア大尉はとても優しい方ですから。しかもクレア大尉は今でもとても美人な方ですから、子供の頃からとても可愛い女の子だったと思います。」
「か、可愛……っ!?」
リィンの言葉を聞いたクレア大尉は顔を真っ赤にして若干混乱し
(うふふ、その調子よ、ご主人様♪そこで一気にたたみかければ、その娘も落ちるわ♪)
(ふふふ、どうやら”4度目”になる確率が非常に高くなってきましたね。)
(リ、リィン様……どうしてそう、女性がその時に求めている言葉をすぐに思いついた上、躊躇う事なく口に出せるのですか……?)
その様子を見守っていたベルフェゴールとリザイラは興味ありげな表情をし、メサイアは冷や汗をかいて表情を引き攣らせていた。
「そんなクレア大尉が自分のお姉さんなのですから、弟さんも誇らしかったと思います。もし俺がクレア大尉の弟でしたら、きっとクレア大尉の事を誇らしく思っていたでしょう。」
「そう……でしょうか……?結局何もしてあげられなかったのに…………」
「――クレア大尉。辛い事を思い出させるようで大変申し訳ないのですが、クレア大尉は弟さんを看取る事はできたのですか?」
「え?はい。」
リィンの問いかけに不思議そうな表情をしたクレア大尉は頷き
「…………弟さんの死に顔はどのような表情だったんですか?」
「え…………―――あ……………………」
リィンに尋ねられたクレア大尉はかつての哀しい出来事――――自分の弟が死ぬ際、弟は安らかな笑顔をクレア大尉自身に向けていた事を思い出した。
「笑って……いました……あの子……安らかな笑顔を浮かべ……て…………私の、事…………”最高の姉さんがいて幸せだった”、と……言って………………どう、して…………今まで思い出せなかったの、でしょう……?………」
かつての出来事を思い出したクレア大尉は涙を流し始めて身体を震わせ
「クレア大尉。」
「あ…………」
涙を流すクレア大尉をリィンは自分の胸に引き寄せた。
「頼りない俺の胸でよければ、いつでもお貸しします。」
「リィン、
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