暁 〜小説投稿サイト〜
真似と開閉と世界旅行
探索開始〜
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「いい加減にしろ!」

「サキ、いくらなんでもやり過ぎよ」

二人の怒りが頂点に達したのを感じて、俺は渋々口を閉じる。・・・結局情報は得られず、ヨルコさんを宿屋に送り届けて、プレイヤー達にも事のあらましを説明して・・・取りあえず次は・・・

「まあ、現場検証が終わったら次は凶器だよな」

「・・・そうだな」

キリトは俺を睨みながらアスナに振り向く。

「・・・となると、鑑定スキルが要るな。おまえ、上げて・・・るわけないよな」

「当然、きみもね。・・・ていうか・・・」

アスナがじろっとキリトを見る。

「その“おまえ”っての止めてくれない」

「へ?・・・あ、ああ。じゃあ、えーと・・・“貴女”?“副団長”?・・・“閃光様”」

「普通に“アスナ”でいいわよ。さっきそう呼んでたでしょ」



『咲さん・・・』

「(どうした?)」

『何でさっきあんなやり方をしたんスか?カマ掛けにしては・・・』

「(やっぱりお前は分かってたか)」

『当然ッス。咲さんはそんな軽はずみに人を刺激したりしないッス』

「(そうでもないけどな。・・・だってよ、怪しくないか?わざわざ特徴も特にないプレイヤーを大胆に殺害し、しかも第一発見者が都合よく知り合い・・・犯人ならもうちょい同様すると思ったんだけど・・・)」


『目の前で知り合いが死んだらショックッスよ・・・』

「(そうなんだが・・・それにしては落ち着いてたっていうか・・・普通知り合いが宙吊りになったら、しばらくは宙吊りになってる人を凝視しないか?)」

『・・・でも、何処から宙吊りになったか見るかもしれないッスよ?』

「(そうなんだが・・・こっそりヨルコさんの居た位置を聞いてそこに立ったんだけどね。あの位置じゃ少なくとも視界の切り替えに数秒かかる。犯人だって見られたら不味いんだし、普通は姿を隠す。つまり犯人を見るには・・・)」


『最初から見ているか、それとも・・・』

「(犯人、ないしは共犯者ってことだ・・・そもそも、最大の謎が・・・)」

『圏内PK・・・ッスよね』

「(可能なのか?)」

『システム上は不可能の筈ッス』

「(だよなぁ)」

「サキー?いくわよー」

「え?あ、うん!・・・あ」

変に高い声を出してしまい・・・

「・・・ふ」

「キリト?今笑ったろ」

「・・・気のせいだろ?」


俺はキリトを横目で見ながらアスナに近づく。

「何処に行くのさ?」

「取りあえず武器とロープを調べないと」

「じゃあリズ・・・は今は忙しいか」

「うん。だから彼の知り合いのとこに行くの」

「知り合い・・・エギルか」

「そうよ」


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