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銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第七十八話 信賞必罰(その1)
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から、お返しするのが筋でしょう」
「……」
「それに、中将なら女性士官についても偏見が無いでしょうし」
「……」
溜息を吐かれた。
「あの、睨むのを止めて貰えませんか。私が少佐の事を考えないなんてあるわけ無いじゃないですか」
「……そうですね。でも、出来れば隠し事は無しにして欲しかったですね」
「ああ、それは少佐を巻き込みたくなかったんです。後々問題になりますからね」
「それでもです!」
「……はい」
■ 帝国暦487年1月29日 軍務省 尚書室 エーリッヒ・ヴァレンシュタイン
「失礼します。エーリッヒ・ヴァレンシュタイン、参りました」
「うむ」
尚書室に入るとそこにはエーレンベルク元帥とミュッケンベルガー元帥が居た。やれやれ、どうやら次の配属先が決まったか。兵站統括部から異動かな。
「ヴァレンシュタイン少将、一ヶ月間ゆっくり休めたかな」
「はっ」
「それは良かった」
エーレンベルク元帥が俺に話しかける。しかし、全然良くない。この一ヶ月間、毎日ヴァレリーは俺に書類を持ってきた。おまけに遠征軍に参加した連中も毎日やってくる。ミュラー、キスリング、メックリンガー、ビッテンフェルトをはじめアイゼナッハまで入れ替わりでやってきた。
連中が言うのは同じ言葉で“自分だけ処分を受けると言うのは水臭い”、“今回の処分は間違っている”だった。まあ、アイゼナッハだけは無言のままだったから、俺の方から同じ事を言ってやった。やたらと頷いてたな、あいつ。
ケスラーとロイエンタール、ミッターマイヤーもやってきた。ケスラーは “最初から辞めるために全部仕組みましたね” なんて言っていたが俺はそこまで腹黒くない。まあ辞められればいいな、とは思ったけど。ロイエンタールも似たような事を言っていたが、あいつら妙な誤解をしている。
ラインハルトとキルヒアイスは来なかった。ローエングラム伯爵家の継承でバタバタしているからな。まあ、来られても何を話して良いかわからん。ちょうど良かったと思う。
そんなこんなで、正直この一ヶ月は何処が停職なんだか全くわからなかった。逃げ場が無い分こっちのほうがきつかったくらいだ……。
「さて、今回ミュッケンベルガー元帥が退役する事になった」
エーレンベルク元帥の言葉に俺は正直驚いた。陛下は引き止めないのか?
「陛下から慰留されたが、私としてもけじめはつけたいのでな」
「しかし、元帥以外にどなたが宇宙艦隊を率いるのです。司令長官はどなたが……」
実際誰が司令長官になるんだ? ラインハルト? あれは副司令長官だろう。
「ローエングラム伯が司令長官になる」
エーレンベルク元帥の言葉に俺は驚いた。本気か、いや能力は有るけど現時点では誰も納得しないぞ。
「
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