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ランス 〜another story〜
第3章 リーザス陥落
第90話 リーザスの鬼門
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れば、悪意の塊。その殺意を叩きつけられ続けるのだから。

 そして、逃げるように離れていく連中を見て、ミネバは軽くため息を吐いた。

「(とはいえ……、あのバカ共のような奴らは、まだ他にもいる。――あのバケモノの信仰者……実に鬱陶しいね。ま、それもよくて後数年だろうさ)」

 ミネバはにやり、と再び笑った。


「――老害は病に倒れる。寄る年波は越えられない、ってねぇ……」


 それは、一段階増した――邪悪な笑みだった。

 そして丁度その時。

「ミネバ様。例の仕掛けは……」

 ミネバの駒。
 トーマの駒ではなく、ミネバの駒である兵士が駆け寄ってきたのだ。

「……ああ、いつでも使えるようにしときな。本隊の連中には、華々しく戦ってもらおうじゃないか。―――――囮として、ねぇ」

 その言葉を訊いて、無言で頷く部下。
 その手に持っている袋の中には、起爆剤とするプチハニーが大量に収められていた。

「さて、まったく困ったもんだよ。敵が雑魚ばかりってのはさぁ。あのぼーやは、なかなかいい線いってたけど、くく、まぁ それもどこまで続くかね」

 ミネバはそうつぶやくと、迎撃の準備に取り掛かっていった。


 それは、リーザスへの最後の鬼門。

 相手にするは――人の皮をかぶった悪魔。


 第3軍にして、トーマの対極とも言える存在。



 ミネバ・マーガレット
 
 






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