第三十話 アニエスの新生活
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次の日、新宮殿で寝泊りすることになったアニエスはメイドに案内され、とある部屋に到着した。
部屋えはアンリエッタが椅子に座り足をパタパタさせ誰かを待っているようだった。
「おはよーございます。あなた誰?」
「お、おはようございます。アニエスと申し……マス」
「わたし、アンリエッタ!」
元気良く言った。
「お、揃ってるな」
遅れてマクシミリアンがやって来た。
「おにーさま、おは! よー! ございます!」
「おはよう、アンリエッタ。アニエスもな、おはよう」
「お、おはようございます」
「早速だが勉強会を始めよう。今日から一緒に勉強する事になったアニエスだ」
「よ、よろしくお願いします!」
「よろしくおねがいしまーす」
「うん、二人とも仲良くな。さて、アニエスが加わった事で授業内容を変更して、初歩的な読み書きに戻る。アンリエッタは前に習っていた箇所だけど、しっかり勉強していれば分かるはずだ。さ、始めよう」
マクシミリアンは、パン、と拍手を打つと授業に取り掛かった。
☆ ☆ ☆
アニエスが新宮殿に住む様になり数日が経った。
アンリエッタと仲良くなる事ができ、ある程度は読み書きが出来る様になったが、アニエスは不満だった。
元々、仇討ちに必要な技術を得る為に、新宮殿に住むようになった筈だったが、一度も剣や銃の鍛錬の時間は割り当てられた事は無かった。
仕方なく、空いた時間をジョギングなどの軽い運動に当てて身体が鈍るのを防いでいた。
「ミス・ミランは居られますかな?」
マクシミリアンお付の執事、セバスチャンがアニエスの部屋にやって来た。
最初、『ミス・ミラン』が誰か分からず、ポカンとしていたが、自分の事と分かるまで数秒掛かった。
「あ、スミマセン! 何か御用でしょうか?」
多少の礼儀作法も叩き込まれていた。
「午後の予定ですが、マクシミリアン殿下は急遽、王宮へ向かう予定が入りまして、午後の勉強会は中止となりました」
「あ、そうですか。わざわざ、ありがとうございます」
「そこで、マクシミリアン殿下より、ミス・ミランを演習場へ案内するように仰せつかっております」
セバスチャンの言葉に、アニエスは顔に喜色を浮かべた。
「いよいよ鍛錬させてもらえるんですか?」
「はい、動きやすい格好でお願いします。詳しい事は正面玄関前で説明いたします……では失礼します」
それだけ言うと、セバスチャンは退室した。
……
午後、新宮殿の正面玄関前で、アニエス
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