第44話私じゃ釣り合う訳ない
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人化していて、ライリュウくんは全くスタミナが減っていないから私は流石に呆れてる。でもどっちにしろ、ここから先は休憩を余儀なくされるからねーーー
「みんな暫く休憩ね」
「うん、空の旅は暫くお預けよ」
『よっしゃーっ!』
『なんで?』
「あの山や」
ここから見える大きな山。あれが飛行限界高度より高いから、山越えには《ルグルー回廊》という洞窟を抜けるしかない。シルフ領から《世界樹》のある街、《央都アルン》へ向かう一番の難所。リーファちゃんもここからは始めてらしい。《ルグルー回廊》は長くて、途中に中立の鉱山都市があって休めるから、まずはそこまで行く事になる。
今は現実だと夜7時、一応みんなまだまだ平気だからこのあとも冒険を続ける。そこでーーー
「ここで一回ローテアウトしよっか」
「ロ、ローテ・・・?」
「おっと、また聞き慣れない単語が」
「交代でログアウト休憩する事だ」
「中立地帯だから、アバターだけが残るんだ」
「そんでな、代わりばんこで空っぽのアバターを守るんや」
ローテアウトとは各種族の領地などのセーブポイントがないフィールドなどでログアウトする時、アバターだけがその場に残るから仲間に空っぽのアバターを守ってもらう事。今回は私とキャンディとリーファちゃんが先にログアウトして、ライリュウくん達男子達が守ってくれる。「レディーファーストって言うだろ?」なんて、失礼だけど似合わないと思ってしまった。お言葉に甘えて、20分ほど私達の身体を守ってもらおうーーー
亜利沙side
目を開けば見慣れた天井、嗅ぎ慣れた畳の匂い、今時少し珍しい一階建ての和風建築の自宅の私の部屋。部屋着として着ている和服を羽織り帯を締め、下着を用意して浴室に向かう。
自分で言うのは変だけど、私の家系は普通の家庭より少しいいお家である。それぞれ色々な分野で成功していて、叔父は武道の達人で道場を開いている。そういえば、従姉の木霊ちゃん元気かなぁーーー
「亜利沙」
考え事をしながら長い廊下を歩いている時、後ろから声を掛けられた。生まれた時から聞いていた声の主、私の父である。
「随分長かったな。また入るのか?」
「はい。軽くシャワーを浴びてからまた入りますけど、お父さんは心配しな「お前にお父さんと呼ばれたくはないわっ!!」・・・」
父は私に「お父さん」と呼ばせてくれない。別に嫌われてる訳じゃない、ただーーー
「「パパ」と呼べ「パパ」と!!もしくは「ダディ」でも可っ!!」
「・・・ご心配には及びません、パパ上」
ただ呼び方が気に入らないだけで、普通に愛してくれている。私はもう「パパ」なんて呼ぶ年でもないし、「ダディ」と呼ぶのは流石
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