―運命の決闘者―
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エドのプロデュエリストツアーに万丈目と同行して数日。何とか仕事に慣れてきたどころか、万丈目は目覚ましい仕事をしてみせ、もはや本職の秘書のようでもあった。俺は今まで同様に雑用をこなしていたが、俺自身の目的であるエドへの謝罪を果たすことは出来ずにいた。
そんなある日。エドにデュエル・アカデミアでの、講演を兼ねたデュエルの仕事が舞い込んできた。対戦相手はかの十代であり、どうやら俺と万丈目はそこでお役御免になりそうで。仕事が立て込んでいるために、いつもエドが使っている船ではなく、ヘリコプターでの移動となり、遂に当日を迎えたのだが――
「エドの野郎はどこに行ったぁ!」
千里眼グループのヘリポートに万丈目の怒声が響く。そろそろヘリコプターの出発時刻だというのに、エドの姿はどこにも見あたらなかった。刻一刻と近づいてくる出発時刻に、万丈目はイライラと地を踏みつける。
「チッ、仕方ない……おい遊矢。俺様がアカデミアで開始時刻を遅らせておく。貴様はふん縛ってもエドの野郎を連れてこい!」
「……わかった!」
万丈目の指示にひとまず従うことにすると、スタッフと万丈目は先にアカデミアへとヘリで移動していく。一部のスタッフと俺はこの街に残り、エドの捜索を続けることとなったが……やはりどこにも見当たらず。
「まさか……」
街中を探したような錯覚に駆られるものの、探していない場所がもう一つあった。万丈目とともに目撃していた、エドが極秘で特訓しているデュエルステージ――天啓に導かれるように走り、路地裏を越えていくと、そこには。
「エド!」
「……遊矢か」
デュエルステージに一人立つエドの姿がそこにはあり、何をしているんだ、と聞こうとした時――俺はその場に満ちる気配に気づく。独特の無の気配とも言うべきこれは、もはや間違えようもなく。
「僕もペガサス会長から聞いて知っている……敵だ」
「ダークネスなのか……?」
デュエルステージに立ったままのエドを救おうとしたものの、何故かデュエルステージに昇ることが出来ない。俺を相手にしてる訳ではないらしく、ならばなおさらエドが危険だ――と焦る俺に対して、エドの言葉が飛んだ。
「異世界でのことなら僕は気にしていない。全て僕の弱さが招いたことだ」
エドは、こちらの心を見透かしたようにそう呟いた。異世界におけるデュエルで――俺はエクゾディオスの力で持って、この手でエドを消滅させていた。とても許されることではないそれを、エドは自身の弱さが招いたことだと言ったのだ。
「だから僕は強くなる。何度負けようがこのヒーローたちと。だから――」
ステージを覆い尽くしていた闇が一点に収束していき、エドの対面のデュエルステージへと集まっていく。いつしかその闇
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