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英雄伝説〜光と闇の軌跡〜(3rd篇)
第1話
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いたいところだが。」

(そらきた………)

総長の言葉を聞いたケビンは疲れた表情で溜息を吐いた。

「ん、なんだ?」

「いやいや。続けたってください。」

「うむ、任務終了そうそう悪いんだが………一つ君に頼みたいことがあってね。」

「ふむ………”外法”絡み、ですか?」

総長の話を聞いていたケビンは真剣な表情で尋ねた。

「いや、ただの”回収物”だ。グランセル大聖堂の地下に一時的に保管してあるらしい。」

「グランセル………!なるほど、”環”関係かもしれないっちゅう事ですか………」

「可能性は高いだろう。どうだろう、頼めるかな?」

「………了解ですわ。ホシの護送もあるんでこのまま”メルカパ”はアルテリアに戻らせます。リベールへはオレ一人で。」

「ああ、よろしく頼む。そうそう、この件に関しては新人の従騎士を1人派遣した。君の下に新たに付けるからよろしく面倒を見てやってくれ。」

「ちょ、ちょっと待って下さいよ!新人って………あんたそんないきなり!」

総長の説明を聞いたケビンは驚き、慌てた様子で反論しようとしたが

「フッ、女神の巡り合わせはいつでも唐突なものだよ。訓練の成績も優秀だったから足手まといにはならないだろう。それでは健闘を祈る。」

総長は聞く耳を持たず、通信を切った。



「……………………」

「はは………その、何と言うか。」

「よ、良かったじゃないですか。新人が入ってくるみたいで。」

口をパクパクさせて呆けているケビンに従騎士達は苦笑しながら言った。

「いいことあるかいっ!はあ、まったくあの人は昔っから変わらへんな………とても小説のモデルになった人とは思えへんわ。」

「ああ……『カーネリア』でしたっけ。」

「あれ、いいんですかね?”騎士団(われわれ)”の存在を世に周知しているような気が………」

「あれくらい芝居がかかった内容ならかえって良い目くらましやろ。ヒロインが死んだとかいうのも適当な攪乱情報になっとるし。………もっとも実物を知ってたら簡単に死ぬようなタマやないってすぐにわかりそうなもんやけどな。」

「はは………」

「まあ、コメントは差し控えておきましょう。」

疲れた表情で溜息を吐いたケビンの言葉を聞いた従騎士達は苦笑していた。



「ともかく………話は聞いての通りや。今回の件の後始末は君らに全面的に引き継ぐ。ミラの流れは洗った方がええな。まだまだ隠し口座がありそうや。」

「なるほど………お任せ下さい。」

「我々はこのままアルテリアに戻るとして………あなたの方はどうします?」

「そやな………適当な自治州で降ろしてや。できれば国際定期船が出とる街の近くがええかな。」

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