第三章 [ 花 鳥 風 月 ]
五十九話 百鬼夜荒 弐
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れでも王儀の瞳に宿る闘争心は衰えを見せていない。
そんな王儀の姿に、椛は多少畏敬の念を抱くがその思いはすぐに頭の片隅へと追いやられた。
「……文を何処にやったんですかッ!素直に答えれば楽に殺してあげますよッ!」
焦りからか苛立ち故か、語気が荒い椛の言葉に、
「知らねぇよッ!俺が知る訳ねぇだろうがッ!」
王儀も怒りを込めてそう返答する。
そもそも、王儀を始めとした鬼の衆は百鬼丸の事も、奴が連れて来た無有の事もよく知らないのだ。興味すら持っていなかったと言ってもいい。
椛は相手の真意を測る余裕は持っておらず、王儀もまた余裕がなかった。
「死ぬ前に文の居場所を喋ってもらいますッ!後、私は今非常に機嫌が悪いのでどうなっても知りませんからッ!!」
「あぁそうかよッ!奇遇だな、俺も今腹の虫の居所が悪ぃんだよッ!それにこれ以上、てめぇに構ってられねぇッ!いい加減にくたばれッ!」
互いが抱く怒りで、最早言葉は噛み合わず傷を負った獣達は己の目的の為に牙を剥け合った。
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