外伝〜オーバルギア開発計画〜中篇(後半)
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纏わせて語るアガットをダンは驚いた表情で見つめていた。
「そういう意味では俺はあいつを信頼してるぜ。あんたらの娘は実際、大したヤツだよ。」
「なるほどね………」
(フン、常識のねえヤツかと心配したが………どうやら………そういう訳でもなさそうだな。)………おい、ティータがその兵器開発に参加してんのには何か理由があんだよな。………話せよ、ダン。」
自分の話を聞いて考え込んでいるダンをアガットは真剣な表情で見つめた後、尋ねた。
「ああ、そうだね………まあ、君には伝えておこうか。」
そしてダンはアガットとすれ違って、アガットに背を向けたまま尋ねた。
「君はメンフィル皇女――”殲滅天使”レン姫と”パテル=マテル”のことを知っているかい?」
「……あ、ああ………あのとんでもぇ小娘と、小娘が結社から強奪した馬鹿デカイ人形兵器だろ。」
「ティータはね、そのレン姫のことを親友だと言っていた。……レン姫の性格は資料で読んだよ。……幼いながらも大人顔負けの策謀を考え付き、さらに常に死と隣り合わせになっている戦場にも喜んで身を投じ、殺人に喜びを見出している皇女………そんな彼女と親友になるなんて普通に考えれば、そんな話はあるはずがないんだが………」
「いや……知ってるさ…………あいつは特に何も言わなかったが………祝賀会の時は向こうから話しかけてくる以外は、不自然なくらい避けてたからな。他に同じチビ同士で仲良くなったミントやツーヤには自分から話しかけに行っていたのに………」
「………そうか、なら話は早い。オーバルギア計画は、もともと結社の驚異的な技術力・軍事力に対抗、そしてそれをも超えるメンフィルの技術力・軍事力に追いつくために始まった計画でね。最終的には、そのパテル=マテルに対抗しうる能力を持つのが目標だ。そして、ティータはこの計画に自分から参加したいと言ってきた。僕もエリカさんも反対したんだが………ティータはレン姫に関わりたいと言って聞かなかった。これが、自分がレン姫のためにできる事だからといって………」
アガットの話を聞いたダンは頷いて真剣な表情で語り、苦笑した。
「………ティータはレン姫と本当の意味で親友になりたいんだろう。オーバルギア計画に参加すれば、レン姫の気持ちがわかるかもしれない。届かなくても、会えなくても、繋がっていられるからね。本当に小さな関わりだけど………それが今のあの子にできる最大限の努力なんだろう。」
「…………………あいつ………そんなことを…………(馬鹿なヤツだ………いつの間にか、そんなものを背負いこんでるとはな………)」
ダンの話を聞いたアガットは真剣な表情で呟いた後、自分が常に身に着けている石のペンダントを見つめて苦笑した。
「……ティータ
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