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夜空の武偵
Ammo02。無自覚な逸般人
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日本の薙刀に似た太刀。確か青龍偃月刀(せいりゅうえんげつとう)だっけ?
それを片手で持ち上げ、振り下ろしてきた。
俺はそれを木刀で受け止める。
ズシィィィィィィン。
かなり重量がありそうなくらい重い衝撃が刀身から伝わってきたが、父さんや爺ちゃんの一太刀に比べたら軽い(・・)
俺は両手で木刀を力いっぱい握り締めると真横に振るう。
一閃!
木刀の衝撃を受けた青龍偃月刀にヒビが入った。

「はい、一撃入れたね? 俺の勝ち!」

俺は『今、何が起きたの?』という表情をしている蘭豹や綴を見つつ、急いでその場から離脱した。
爺ちゃんや父さんの斬撃を毎日受けてる俺からしたら遅いし、軽い。
だから普通に木刀で受け止められるよ。
父さんの顔を見ると、笑ってる。
ちゃんと一撃入れたからな?
ルールには何処にとはないからな?
そんなことを思いつつ、ガンダールヴの力で駆け出した。



武偵局を出た(らんらんから逃げ出した)俺は、父さん達から渡された資料をもとに子供が拐われた場所の一つ……ルーマニア正教会の聖堂に来ていた。
教会がバックについてるのか、武偵局が手出しできないはずだな……。
武偵や殺し屋は金で動く。よって中には教会や寺院に金を積まれて動く武偵も少数ながらに存在する。教会の中に、護衛の武偵がいる可能性もある。

「さて、どうするかな……」

まさか、馬鹿正直に真正面から追求しても相手にされないだろう。
俺はあくまでも『餌』。但し、ドデカイ針のついたな。
異国人らしく観光客の一人として行くか。
よし、いくか!
気合いを入れ直してから俺は教会の中に入って行った。

「ようこそ、ルーマニア正教会、聖堂へ」

観光客相手にミサなどの説明や聖堂の成り立ちを話す司教を観察しながら俺は怪しいところはないか念入りに捜査をしていた。
……とその時、ドンと軽い衝撃を感じた。

「あ、ごめんなさい」

「#&@/#&@/a#d&」

ルーマニア語でなにやら言われて振り向くと少女が尻餅を突いて倒れていた。
手にはパンフレットを持っていたようでぶつかった衝撃で俺の方に飛んできた。

「大丈夫?」

とっさに話かけたが日本語で言ったため彼女には伝わらなかったようだ。
参ったな……俺、日本語しか解らんぞ。
どうしたもんか……と悩んでいると。

「見つけたで〜?? さあ、もう一回ワイと戦うんや〜」

蘭豹に見つかった。
ああ、ちきしょう。今日はとことんツイてない。

「ちょっ、ちょっと待ってください。今、それどころじゃ……」

「あーん? ワイと戦いたくないやと〜?
今、ここで死に晒すか、武偵局に戻ってワイと戦うか、好きな方を選べ!」

「それ選択肢ないだろうが
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