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第十一話 出る杭は打たれるのです。
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事脱出させた男です」
「ヤン・ウェンリーか!?おお、なるほどな!!確かにそいつはお前の生徒だった。そうかアイツがな」

 本部長閣下は感慨深そうにうなずいている。

「ならば楽しみにしているぞ。帰国したら真っ先に俺の部屋によこすように言ってくれ」

 そういうと、本部長閣下はニヤリとした。この閣下、人によってはダニエルスペシャルエディションとかいうとんでもなく濃いコーヒーを出すことでも有名である。その結果、本部長の部屋から退出した際、胃もたれを訴えて病院に直行する輩が続出したそうである。決して本部長閣下から何か難題をふきかけられたということではないそうだが。ヤン・ウェンリーがどうかその被害者にならないよう、シトレとしては祈るほかなかった。

「さて、シトレ」

 本部長は真顔になった。

「お前を呼んだ理由、想像はつくか?」
「先ほどの話のからみですかな。エル・ファシル星域の失陥、そしてレアメタルの採掘場の失陥は我が同盟にとって小さな損失ではありませんからな」
「そうだ。だが、それだけが理由ではない」

 シトレの尋ねる様な眼差しに、本部長閣下はすばりと言った。

「フェザーンだ」
「フェザーンですと?」
「そうだ。実はな、レアメタルの採掘場にはフェザーンの多額の資本投下があった。それをむざむざと帝国に奪われたことで、フェザーン側は平たく言えばご立腹なのだ。今後我が同盟の国債の買い付けを制限、資本の投下の縮小など、要するに資金援助の凍結をほのめかしている」
「なるほど」

 自由惑星同盟の内部に流入するフェザーンの資本は相当なものであり、これに染まっていない大企業はないとも言われている。なにしろ国家の歳入の20パーセント超をフェザーンの国債買い上げによる金が占めているのだ。それはまだ表向きの事で、非公式な間接的な援助を含めると、同盟の歳入の半分を超える資金源がフェザーンから流れてきていると言われている。年々増加する軍事費もこのフェザーン資本で保たれていると言っても過言ではない。
 その影響は政財界にまで及び、フェザーンの金を懐につかまされていない政治家はいないとまで一時期は言われたほどであった。

「なるほど」

 シトレはもう一度そういい、やおらコーヒーを飲み干し、カップを置くと、ゆっくりと言った。

「つまりは、小官にエル・ファシル星域の奪還をせよと、おっしゃるのですな?」
「流石はシトレだな。そういうことだ」
「ですが閣下、小官の第八艦隊は数の上でこそ14000隻でありますが、何分編成をし直したばかりであり、小官自身も赴任してまだ数か月にしかなりません。いわゆる新兵ばかりの艦隊。それを動かして攻略の途に就かせるなど、少々危なくはありませんか?」
「そうか、お前にはできないか」
「いや
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