暁 〜小説投稿サイト〜
英雄伝説〜光と闇の軌跡〜(SC篇)
外伝〜帝都への帰還〜後篇
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……また帝都でお会いしましょう。」

別れの言葉を告げた後、部屋を退出した。



「……………………」

宰相が退出する様子をオリビエは黙って見つめていた。そしてそこにミュラーが入出してきて、オリビエに近づいて話しかけた。

「話しは終わったようだな。……どうした?随分と疲れた顔をして。」

「いや、なに………改めて―――自分が喧嘩を売った相手の怪物ぶりを思い知らされただけさ。」

ミュラーの疑問に対しオリビエは疲れた表情で答えた後、苦笑した。



〜同時刻・空中庭園〜



「おっと………そろそろ船が来る頃合いか。それじゃオレはこれで失礼させてもらうぜ。」

一方その頃、クローゼの問いにレクターがは答えず、鐘の音を聞いて答えた。

「えっ………」

「じゃあな、ジーク。今度は帝国産のサラミでもお土産に持って来てやるよ。」

「ピュイ♪」

「ま、待ってください!また………何も明かさずに居なくなってしまうんですか!?」

自分の答えに返さず呑気にジークに別れを告げているレクターにクローゼは不安そうな表情で尋ねたその時

「そうだ、クローゼ。お前、ひょっとして好きな男が出来たんじゃないか?」

「えっ………」

レクターはいきなり話を変えて来て、クローゼは驚いた。

「おっと、図星だったか。いや〜、いいねぇ。初恋っていうのは。胸キュンドキドキ、甘酸っぱいって感じだろ?」

「も、もう………ふざけないでください!……………」

からかう表情のレクターにクローゼは怒った後、顔を赤らめて考え込み、やがて口を開いた。

「………ええ。好きな男の子が出来ました。この前、ちょうどこの場所でフラれてしまいましたけど。」

「って、マジかよ!?さすがにそんな偶然はオレも予想してなかったぜ!?」

クローゼの答えを聞いたレクターは驚いた表情で答えた。

「ふふ、怪しいですね。先輩は本当に……何でもお見通しなんですから。」

「ま、このオレ様も万能じゃないってことさ。だからこそ世の中は面白い。」

そしてレクターはクローゼに近づいて、クローゼの頭を優しく撫でた。



「あ………」

「………よかったな、クローゼ。恋の痛みを知ってこそ女は一人前ってもんだ。また一歩、なりたい自分に近づけたんじゃないのか?」

「……先輩……………………………先輩の方は……どうですか?なりたい自分に……近づこうとしていますか?あの宰相殿の元にいることで……」

「………………別にオレはなりたい自分なんて無いからな。ただ面白そうって理由だけであのオッサンに付いてるだけさ。王立学園に入る前からな。」

「えっ…………」

自分の言葉を聞いて驚いている
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