外伝〜帝都への帰還〜後篇
[7/11]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
……また帝都でお会いしましょう。」
別れの言葉を告げた後、部屋を退出した。
「……………………」
宰相が退出する様子をオリビエは黙って見つめていた。そしてそこにミュラーが入出してきて、オリビエに近づいて話しかけた。
「話しは終わったようだな。……どうした?随分と疲れた顔をして。」
「いや、なに………改めて―――自分が喧嘩を売った相手の怪物ぶりを思い知らされただけさ。」
ミュラーの疑問に対しオリビエは疲れた表情で答えた後、苦笑した。
〜同時刻・空中庭園〜
「おっと………そろそろ船が来る頃合いか。それじゃオレはこれで失礼させてもらうぜ。」
一方その頃、クローゼの問いにレクターがは答えず、鐘の音を聞いて答えた。
「えっ………」
「じゃあな、ジーク。今度は帝国産のサラミでもお土産に持って来てやるよ。」
「ピュイ♪」
「ま、待ってください!また………何も明かさずに居なくなってしまうんですか!?」
自分の答えに返さず呑気にジークに別れを告げているレクターにクローゼは不安そうな表情で尋ねたその時
「そうだ、クローゼ。お前、ひょっとして好きな男が出来たんじゃないか?」
「えっ………」
レクターはいきなり話を変えて来て、クローゼは驚いた。
「おっと、図星だったか。いや〜、いいねぇ。初恋っていうのは。胸キュンドキドキ、甘酸っぱいって感じだろ?」
「も、もう………ふざけないでください!……………」
からかう表情のレクターにクローゼは怒った後、顔を赤らめて考え込み、やがて口を開いた。
「………ええ。好きな男の子が出来ました。この前、ちょうどこの場所でフラれてしまいましたけど。」
「って、マジかよ!?さすがにそんな偶然はオレも予想してなかったぜ!?」
クローゼの答えを聞いたレクターは驚いた表情で答えた。
「ふふ、怪しいですね。先輩は本当に……何でもお見通しなんですから。」
「ま、このオレ様も万能じゃないってことさ。だからこそ世の中は面白い。」
そしてレクターはクローゼに近づいて、クローゼの頭を優しく撫でた。
「あ………」
「………よかったな、クローゼ。恋の痛みを知ってこそ女は一人前ってもんだ。また一歩、なりたい自分に近づけたんじゃないのか?」
「……先輩……………………………先輩の方は……どうですか?なりたい自分に……近づこうとしていますか?あの宰相殿の元にいることで……」
「………………別にオレはなりたい自分なんて無いからな。ただ面白そうって理由だけであのオッサンに付いてるだけさ。王立学園に入る前からな。」
「えっ…………」
自分の言葉を聞いて驚いている
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ