外伝〜帝都への帰還〜後篇
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アにおいて恐らく、一番テロの対象として狙われている人間だろうからね。……それも”大陸最強”の武人にして王の中の王―――”英雄王”リウイ皇帝陛下がいるとわかっていてまで。」
「フフ、恐れ入ります。ですが、どうかご心配なく。優秀なスタッフのおかげでテロへの対策は万全でしてね。それに私自身噂の”覇王”をこの目でしかと焼き付けておきたかったのですよ。フフ、噂通り……いや、それ以上にすざましい”覇気”を感じる方でしたよ。確かリウイ陛下は不老不死との情報も入っております。あのような”王”に永遠に見守られているメンフィルが羨ましい限りですな。」
オリビエの言葉を聞いた宰相は口元に笑みを浮かべて答えた。
「(……さすがの”鉄血宰相”もかの”覇王”の”覇気”には圧されたか。)優秀なスタッフ………たとえばあのレクター君か。」
「フフ、変わり者ではありますがなかなか使える男でして。今回のスケジュール調整からテロ対策まで段取ってくれました。おかげで、このあと安心してクロスベルに向かう事ができます。」
「な………!?」
宰相の話を聞いたオリビエは信じられない表情で声を大きく上げた。
「クロスベルの政府代表と極秘の会議を行う予定でしてね。最近、共和国の資本が流れ込んで対抗勢力に押され気味なのだとか。一度、行ってみたい場所でしたのでこれを機会に訪れてみようかと。」
「ば、馬鹿な………今のクロスベルは各国の勢力が入り乱れた状況だ!緩衝地帯であるのをいいことにテロ組織や犯罪組織などの温床になっているとも聞く………そんな場所に非公式とはいえ、帝国宰相が乗り込むだと……!?」
「それを言うなら殿下。あなたとて同じことでしょう。メンフィル軍に包囲され、”覇王”を始めとしたメンフィルの武将達が揃っていた状況にも関わらず、戦になる事を防ぎ、そしてかの浮遊都市に乗り込み、視察という大任を果たされて地上に戻られた。フフ、それと比べればたかがクロスベル訪問ごとき、子供の遣いと同じ事。」
「………………………」
不敵な笑みを浮かべて語る宰相をオリビエは真剣な表情で見つめていた。
「今、本国で殿下はちょっとした英雄扱いですよ。その殿下が”白き翼”と名高い”アルセイユ”に乗船し、そして”英雄王”と名高いリウイ陛下を初のご招待をして帝都に凱旋する。”帝国時報社”を始めとする各方面への連絡もぬかりはない……まさに殿下が見込まれた通り、華々しいご帰還となるでしょうな。それに報告を聞く所、リウイ陛下と”聖皇妃”と称されるイリーナ皇妃との結婚式が行われる異世界――メンフィルの本国の王城での式の際の”演奏役”という光栄な形で招待されていると聞きます。カルバードに関しては誰も招待されておらず、我が国に到っても皇帝陛下を始めとした他の皇族達も招待さ
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