外伝〜帝都への帰還〜前篇
[3/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
は知っているかい?」
「?何でもリウイ陛下の初代正妃の家名――”テシュオス”家の者だという情報ですが、それが何か?」
オリビエに尋ねられたダヴィルは不思議そうな表情で尋ねた。
「実はそれって世間を欺くためのメンフィル帝国が考えた偽りの情報だよ♪」
「ハ……?い、偽り……!?なぜメンフィルがそのような事を……!?」
「そりゃ、クロスベル問題がより複雑な事になるし、”聖皇妃”自身や”聖皇妃”の家族が自分達の事を伏せる事をのぞんだからそうだよ。」
「クロスベル問題の……?イリーナ皇妃の本当の名とは一体……?」
「……イリーナ・マグダエル。………それが彼女の旧名さ。」
「なっ!?マ、マグダエル………!?まさかクロスベル市長、ヘンリー・マグダエルの縁者なのですか!?」
オリビエの話を聞いたダヴィルは驚いた後、信じられない表情で尋ねた。
「その通り。ちなみにイリーナ皇妃はヘンリー市長の孫娘だ。」
「………………………確かにその情報が公になれば、クロスベルの状況はひっくり返りますな………しかしなぜ、ヘンリー市長はその情報を伏せる事にしたのでしょうな……?せっかくメンフィル……それも皇帝の後ろ盾を得られたというのに………」
「それはヘンリー市長に聞いてみないとわからないね。……ちなみにこの情報は極秘だから、誰にもしゃべらないでくれよ?」
「ハハ、言われなくとも誰にも話しませんよ。……それに話した所で我々、そしてカルバードの両国が不利になるだけですし。」
オリビエの言葉にダヴィルは苦笑しながら頷いた。その後オリビエはミュラーと共に退出して、自分が泊まっている部屋に戻った。
〜エレボニア大使館・客室〜
「フフ……リベール恐るべしだね。まさか帝国貴族からあのような言葉が聞けるとは。」
「ああ、もう少し頑迷な御仁と思ったのだがな。確かにこの空気には人を変える力があるようだ。」
自分が泊まっている部屋にミュラーと共に戻ったオリビエは窓の外を見ながら呟き、オリビエの呟きにミュラーは静かな笑みを浮かべて頷いた。
「フフ……そういう君こそ柔らかい表情をすることが多くなったじゃないか。少なからず影響を受けてしまったようだね。」
「フッ……いささか不本意ではあるがな。そういうお前の方はもう少しこの国の品位と節度を見習ってほしかったのだが。まったく柔らかいところだけを際限なく伸ばしおって………」
「フフ、それがボクの唯一ともいえる武器だからね。あの”鉄血宰相”に少しでも対抗できるだけの。」
呆れた様子で語るミュラーにオリビエは口もとに笑みを浮かべた後、真剣な表情で答えた。
「…………………」
オリビエの言葉を聞
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ