外伝〜祝賀会の夜〜中篇
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「フフ……お母様もペテレーネ様の事は自分にとって大切な友人だとおっしゃっていましたよ。」
「……そうですか……」
ヨシュアが2人に近づいた時、2人はそれぞれ微笑みながら会話をしていた後、ヨシュアに気づいた。
「あら、ヨシュアさん。」
「……ペテレーネさん、ティアさん。”異変”や復興作業で傷ついた人達をそれぞれの宗教の最高指導者であるお二人自ら率先して、魔術を使って傷を回復していたと聞きます。……リベールの為にありがとうございました。」
ペテレーネに声をかけられたヨシュアは静かに頭を下げてお礼を言った。
「あ、あのヨシュアさん。私達は当然の事をしたまでですし、私達はあくまでゼムリア大陸のそれぞれの宗教の指導を任せられているだけで、最高指導者だなんて、そんな恐れ多い身分ではありませんから……私は本来、単なる司祭の一人ですし……」
「私もティアさんと同じですよ、ヨシュアさん。……確かにアーライナ様は異世界で宗教を広める事に成功した事をお褒めになられていましたが、それでも立場は以前と変わらず、アーライナ様より新たな力を授かり、ゼムリア大陸の宗教の指導を任されただけですよ。」
ヨシュアの言葉を聞いた2人は苦笑しながら答えた。
「お2人はこれからも変わらずそれぞれの活動を?」
「ええ……傷ついた方達を癒す……それがイーリュンの信徒である私がすべき事なのですから……」
「……私も以前と変わらず、リウイ様とイリーナ様の傍に仕え、そして神官長としてアーライナ様の教えを広げるのが私の役目ですから……そういえばヨシュアさんはプリネにとって前世の弟でしたね。」
ヨシュアの言葉に2人は静かに頷き、ペテレーネはヨシュアに尋ねた。
「はい。……こんな事を言うのはおかしいかもしれませんが、姉さん――プリネを産んで下さってありがとうございます。お蔭で姉さんと生きて再会できました。」
「……プリネは私にとってリウイ様と出来た念願の可愛い娘です。そんな娘が誰かの喜びとなってくれるだけで、あの娘を産んだ身として、嬉しい限りです。……これからも仲良くしてあげて下さい。」
「……はい。」
ペテレーネの言葉にヨシュアは静かに頷いた後、2人から離れた。
「……大体、挨拶は済んだかな。話し込んでいる人もいたから、後でもう一度回った方がいいだろうけど……」
挨拶回りを終えて、独り言をヨシュアが呟いたその時、ヨシュアの背後からナイアルが忙しそうに駆け回っていた。
「おっ、いたいた。ドロシー、次はいよいよリウイ陛下とイリーナ皇妃だ!……オラ、急げ!」
ナイアルの怒鳴りに答えるかのようにドロシーがよろよろとナイアルに近づいて来た。
「せんぱ〜い……なんだか……おなかがタポタポ
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