異伝〜異なる『旅路』の始まり〜
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づいて来た。
「……人間か。誰だ、お前は。それにここはどこだ……?」
エリィを見た女性は静かに目を伏せた後、尋ねた。
「私の名はエリィ。エリィ・マグダエルです。………ここは七曜教会の総本山、アルテリア法国の宿泊施設の私が借りている部屋です。……よければ、天使様。貴女の名を窺っても構いませんか?」
女性に尋ねられたエリィは自己紹介をした後説明をし、女性――薄い青の髪を腰までなびかせ、頭上には光り輝く小さな光の輪、2対の美しい白き翼を持ち、水曜石のような青い瞳を持つ天使に尋ねた。
「……”大天使”メヒーシャだ。エリィといったな。……お前には聞きたい事がいくつかある。」
「はい、なんなりと。」
そしてメヒーシャは何故、自分がエリィが借りている部屋にいる事や手当てをされている事、そして自分がいる世界の事を尋ねた後、エリィの答えを聞いて考え込んだ。
「………フン。まさかこの私が異世界とはいえ、”人間”に命を救われるとはな……皮肉な話だ。………それにしてもよくその細腕で私をこの部屋まで連れてこれたな?」
エリィの話を聞き終えたメヒーシャは皮肉気に笑った後、エリィを見て尋ねた。
「……知り合いの方に手伝ってもらって、何とかベッドに運び終えました。」
「……そうか。いくら相手が”人間”とはいえ、命を救われた事に変わりはない。……感謝する。」
「いえ。……命が助かって何よりです。……しばらくは傷を治すのを専念して、ゆっくりなさって下さい。」
静かな表情のメヒーシャに感謝されたエリィは静かに頷いて言った。そしてメヒーシャは数日間、傷を癒すために身体を休め、完全に傷が治ったある日。
〜数日後〜
「……ようやく完治したか。」
傷が完全に治り、自分が普段から着ていた蒼き鎧を再び身に纏い、斧槍を片手に持ったメヒーシャは自分の身体の状態を確かめて呟いた。
「メヒーシャ様はこれからどうなさるおつもりですか?」
「…………………………」
エリィに尋ねられたメヒーシャは目を閉じて、考え込んだ後、やがて目を見開いてエリィを見て尋ねた。
「そういえば、エリィ。お前の姉は異世界の国の王に嫁ぎ、その縁でお前は異世界の国――メンフィルに留学するのだったな。」
「え、ええ。姉の結婚式が終わった後に留学するつもりですが………それがどうかしましたか?」
メヒーシャの突然の問いにエリィは戸惑いながら頷いた後、尋ねた
「………そうか。………”大天使”メヒーシャ、エリィ・マグダエルより受けた恩を返す為、しばしの間お前を守ろう。」
そしてメヒーシャは姿勢を正して厳かな口調で答えた後、斧槍を持っていない片手でエリィの片手を握り、手から伝わるエリィの魔力に同化
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