第132話(終章終了)
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古の盟約……」
「訳、分からないんですけど……」
「安心しろ、俺にも分からん。何しろこの堅物ときたら肝心な事はロクに喋ってくれないのだからな。」
レグナートの念話を聞いたヨシュアは驚き、エステルはジト目になり、カシウスは疲れた表情で溜息を吐いて答えた後、レグナートに視線を向けた。
(フフ、許せ。竜には竜のしがらみがある。……まあ、お前達の傍にいる竜達のような例外の竜達もいるようだが…………ただ一つ言えることは運命の歯車は、今まさに回り始めたばかりということだ。そして、一度回り始めた歯車は最後まで止まることはない……。心しておくことだな。)
「そうか……」
「ちょ、ちょっと待って……!」
「また同じようなことがリベールで起こるというの?」
レグナートの念話を聞いたカシウスは真剣な表情で頷き、エステルは血相を変え、ヨシュアは真剣な表情で尋ねた。
「いや、その運命は別の場所で、別の者たちが引き受けることになるだろう。―――とにかく今回はお前たちも本当によくやった。今はただ何も考えず、ゆっくり休むといいだろう。かけがえのない仲間と共にな。」
しかしカシウスはエステル達を安心させるかのような優しい表情で2人を見つめて言った。
「あ……」
カシウスの言葉に驚いたエステル達がカシウスが向けた視線を追っていくと、そこには甲板に出たアルセイユ、モルテニア、山猫号のメンバーの達が嬉しそうな表情でエステル達を見つめたり、手を振ったりしていた。
こうしてエステル達はリベールの異変を食い止める事に成功し、そしてエステルを含めた仲間達はそれぞれの新たな道へと歩み始めた。
〜数ヶ月後・ハーメル村〜
リベールの異変より数ヶ月後、エステルとヨシュアはハーメル村のカリンの墓碑を訪ねていた。
「……姉さん、ただいま。」
エステルの隣にいたヨシュアは花束を墓碑に置いて黙祷した後、エステルも続くように黙祷した。
「あのさ、ヨシュア。」
「何、エステル?」
黙祷が終わり尋ねられたエステルにヨシュアは尋ね返した。
「何でカリンさんのお墓参りをしているの?」
「何でって………ここに姉さんが眠っているのは違いないだろう?」
エステルに尋ねられたヨシュアは不思議そうな表情でエステルを見て言った。
「あたしが言いたいのはそういう事じゃなくて……」
ヨシュアの言葉を聞いたエステルはジト目になった後、ある場所に身体を向けて指をさした。
「カリンさん、今は生まれ変わってああして生きているじゃない!」
「ア、アハハ………」
エステルに指をさされて叫ばれたプリネは苦笑した。
「………姉さんの”死”に囚われないと
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