第126話
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。ずいぶん辛い思いをさせてしまったみたいだね。」
起き上がって自分を見つめているエステルにヨシュアは優しい言葉をかけた。
「ば、馬鹿な……。あの状態から意志を取り戻せるはずが……」
一方ワイスマンは信じられない表情をした後、ある事に気付いた。
「待て……!お前……肩の『聖痕』はどうしたのだ!?」
ワイスマンはヨシュアを見て、ヨシュアの肩の刺青がなくなっている事に気付いて驚いた表情で尋ねた。
「………………………………。もう僕の深層意識に貴方が刻んだ『聖痕』はない。たった今、砕け散ったからね。」
「な、なにッ!?」
「『聖痕』のある一点に、暗示の楔を打ち込んでもらったんだ。そして、そこに負荷がかかった時、『聖痕』が崩壊するような自己暗示を僕はずっと繰り返してきた。」
「!!!」
「あ、暗示の楔……」
「―――このままだと君との約束が果たせなくなりそうだったからね。都市に不時着した直後にケビンさんにお願いしたんだ。」
「ケ、ケビンさんが!?あ、あはは……。そうだったんだ……じゃあ、パズモ達を呼んだのも………」
ヨシュアの説明を聞いたエステルは驚いて声を上げた後、苦笑した後、尋ねた。
「そう。彼女達にも説明をして、念の為に僕が君を殺そうとしたその時、君に結界をはるように頼んだんだ。」
「へ……?あ!い、いつの間に………!」
ヨシュアの話を聞いたエステルは自分の状態に気付いて、驚いた。
(フフ………もう必要はないみたいね……)
(ええ……よかった……サティアのような悲しい最後にならなくて………今度は私の大好きな人を守れたわ…………!)
その様子を見ていたニルは微笑み、パズモも嬉しそうな表情をした後、結界を解いた。
「ケビン・グラハム……。騎士団の新米と侮っていたが小癪な真似をしてくれる……」
一方ワイスマンは悔しそうな表情で呟いた。
「正直、彼には感謝してるよ。そして………この事を僕に気付かせてくれた人にもね。」
「な、なに………」
ヨシュアの言葉を聞いたワイスマンは狼狽えた後、考え込み、そしてある答えに至った。
「まさか………カシウス・ブライトの入れ知恵か!」
「あ………」
ワイスマンの言葉を聞いたエステルは出発前にカシウスがヨシュアに手渡した封筒を思い出した。
「そっか……あの時の……」
「うん……手紙にはこうあったんだ。『お前の呪縛を解く鍵はケビン神父が持っているだろう。だが、その鍵をどうやって使いこなすかはお前自身の問題だ。ワイスマンとやらの行動を見抜いて自由を勝ち取ってみせろ』ってね。」
「へへ……あのオッサンらしいぜ。」
「まったくもう……ほんと父さんらしいわ」
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