第125話
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おかしな娘だ。」
「な、なんか全然、感謝されてる気がしないんですけど……」
レーヴェの言葉を聞いたエステルはジト目でレーヴェを睨んだ。
「アガット・クロスナー。竜気をまといし必殺の重剣技、なかなかどうして大したものだ。フフ……少しは前に進めたようじゃないか?」
「お、おう……。って、したり顔で分かったような口利いてんじゃねえっての!オッサンそっくりだぞ、あんた!」
そして次に声をかけられたアガットは戸惑いながら頷いた後、レーヴェを睨んで言った。さらにレーヴェはクローゼに視線を向けて言った。
「クローディア姫……いや、王太女殿下だったな。女王宮で俺が言った言葉、今でも覚えているかな?」
「『……国家というのは、巨大で複雑なオーブメントと同じだ。』あの時の貴方の言葉、今ではこの上なく真実に思えます。でも……そうした仕組みだけが人の世のあり方ではないと思うんです。
私は探してみたい……数多の巨大な歯車が稼働する中でも人が人らしくいられる世のあり方を。甘いと仰られるかもしれませんが……」
「そこまで思い至ったのなら俺ごときが口出すまでもない。その誇り高き決意に敬意を表させてもらおう。」
「……ありがとうございます。」
レーヴェの言葉を聞いたクローゼは微笑んで頷いた。そして最後にレーヴェはオリビエを見て言った。
「そちらは……オリヴァルト皇子か……ここ一年ほど、ハーメルの事件について嗅ぎ回っていたようだが。」
「やれやれ、さすがに”結社”には筒抜けだったか。」
レーヴェの言葉を聞いたオリビエは溜息を吐いた。
「…………………………分からんな……何故それほどに拘る。仮にも皇族、大人しくしていれば見ずとも済むことだろう。」
「……そうだな、理由は君と似ているかもしれない。都合の悪いことからは目を逸らし、安易な平穏のみを享受する……そんな欺瞞は見逃せないというだけさ。……ただ、君のように世の中全ての欺瞞を叩き潰そうとは思わないがね。いまこの手の届くところで明らかにしていくつもりだ。」
「フッ……精々気を付けることだな。眼前の敵ばかりが牙を剥くとは限らんぞ。」
「ご忠告、ありがたく受け取っておこう。」
不敵な笑みを浮かべて言ったレーヴェの忠告にオリビエは口もとに笑みを浮かべて頷いた。
「………………やはり、今はお前達の傍にいないか………」
そしてレーヴェはエステル達を見回して、若干残念そうな表情で呟いた。
「へ?いないって………誰の事??」
レーヴェの言葉を聞いたエステルは首を傾げて尋ねた。
「……プリネ・K・マーシルン。……奴には個人的に聞きたい事がかなりあったのだがな………」
「……………(やっぱりレーヴェもプリネを姉さんだ
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