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英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜(閃U篇)
第3話
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シュバルツァー男爵の話を聞いたリィンは静かな表情で頷いた。
「…………しかし、私達を頼って郷に避難して来た皇女殿下の安全の為にも、リウイ陛下に連絡して一度は断った正規軍の派遣を嘆願すべきかと迷っている所だ。」
「……そうですね。ユーゲント皇帝陛下や皇太子殿下が貴族連合の手に落ちた今……殿下も追われる身のはずです。手伝える事があったら、遠慮なく申し付けてください。」
「ああ、頼りにしている。……だがリィン。あまり焦らぬようにな。何もかも背負い込めるとは決して思いこまぬ事だ。人一人の手で持ち切れるものなど所詮、限られているのだから。」
「父さん……」
「ふふ、ユン老師の受け売りだがな。とにかく滅多にない機会だ。今は心と身体を休めるがいい。」
「……はい。―――あ。そう言えば、エリゼの事ですが……エリゼは今も本国のリフィア殿下の下にいるのですから無事なんですよね?」
父親の言葉に頷いたリィンはエリゼの存在を思い出して尋ねた。
「ああ、内戦に巻き込まれて行方不明になっていたお前やエリスの事を随分と心配していたぞ。―――それと最近の連絡で老師より”皆伝”を頂いたという報告があったぞ。」
「へ……………か、”皆伝”ってまさか”八葉一刀流”の!?」
シュバルツァー男爵の話を聞いて呆けたリィンだったがすぐに察して信じられない表情をした。
「ああ。―――”理”には”触れた”程度だそうだが、免許皆伝を受けた際に老師より、皇族―――リフィア殿下の護衛を務めている事にちなんで”守護の剣聖”という称号を贈られたらしい。」
「け、”剣聖”…………エリゼが…………ハハ……まさかこの剣で守ると決めた
妹
(
エリゼ
)
が俺にとっていつか越えるべき”壁”になるとは思いませんでした………」
大切な妹が自分より遥かな高みへと成長した事に呆然としたリィンは我に帰ると冷や汗をかいて苦笑していた。
「フフッ、まあお前ならいつかエリゼを超えるられるさ。焦らず、お前なりの成長の仕方でエリゼを超えればいいと思うぞ。」
「父さん……はい、わかりました……!」
シュバルツァー男爵の言葉にリィンは力強く頷いた。
その後リィンは外に出て郷の住民たちへの挨拶回りを始めた。
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