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ソードアート・オンライン〜Another story〜
マザーズ・ロザリオ編
第232話 オリジナル・ソードスキル
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後に、起こりえないと思っていた事が、現実に起こる。
 ユウキの右手が閃いた、と思った直後、剣をまるで回転砥石に当てた時の様な、硬質な擦過音が4つ、立て続けに響いたのだ。アスナの四連?スキル、《カドラプル・ペイン》は、上下左右に正確にはじかれ、一撃たりとも、命中することはなかった。

 アスナの目には、そして レイナの目には、ユウキの黒い剣が描いた薄墨のような残像だけが映っていた。

 その一瞬を―――今度は絶剣のユウキが狙う。

 見逃す筈がない。ソードスキルは、大ダメージを見込める優秀なスキルではあるが、それを使う最大のリスクは、遅延時間(ディレイ)にあった。

 そのシステムを完全無視をしてやってのけるのは、この世界では1人しか知らず、そして、もう1つである、無理矢理硬直を解除して、別スキルに繋げてしまう様な事ができるのは、これまた2人しか知らない。

 アスナは、拳術スキルとソードスキルを連携させたが、それは 遅延時間(ディレイ)が全く無く、威力も最も少ない単発技だったからこそ、である 以前の《黄金の剣(エクスキャリバー)大冒険(クエスト)》時のボス戦で披露してもらった様な。


『拳術⇒ソードスキル⇒拳術⇒ソードスキル……………合計19連撃!!』
『ソードスキル⇒ソードスキル⇒ソードスキル…………合計15連撃!! ダメだ! 負けた!!』


 等と言う無茶な事は出来る訳もない。それはその筈、それは システム外スキルなのだから。試そうと、何度か練習をした事もあったが、独特なシステムの流れ……と言うか、電気信号の流れ? を完全に見通せる様な真似が出来ないと、連続で繋げる様な事は出来ない。……だからこそ、ソードスキルに繋げてしまえば、そこから先はもう回避手段も、攻撃手段もないのだ。


 様々な思考が頭の中で高速に回るが、相手の攻撃も早かった。

 ぎゅんっ と、引き戻された剣が、青紫色、闇妖精族(インプ)独特の色を纏う。――即ち、ソードスキル発動の合図。

「っ!!!」

 それを察知し、拳術より威力とスタンが長い分、僅かではあるが、遅延(ディレイ)が発生する縛りから解放されたレイナが、矢の様に動いた。

 完全な無防備で放たれるあの攻撃。それを受けてしまえば、かなりHPが奪われてしまう事は想像し易いのだ。だからこそ、自分のソードスキルで相殺、若しくは時間を稼ぐ為に、向かおうとしたのだが。

「はぁっ!!」
「っっ!?」

 また、だった。
 意識していた筈だった。片時とも目を、必ず視界の何処かでは、意識の何処かではとどめておこうとしていた筈だった。

 なのに、姉のアスナと絶剣のユウキの方に、意識を傾けかけたその隙間。まるで、影から影へ移動するかの様に、|影妖精族《
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