暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
マザーズ・ロザリオ編
第232話 オリジナル・ソードスキル
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 そして、そんなおてんばな子を見守る為に、傍で佇むのは剣聖であるランだ。
 ユウキが拳術スキルで押し返された事は想定外だったらしく、ランも驚いていたが、そこは反応し、援護をする構えだったのだが――。

「やぁっ!」
「!!」

 裂帛の気合の声と共に、繰り出されるのは、後ろに下がった事で《溜め》を作る事が出来たレイナの一撃。後ろ足に力を込め、力強く大地を蹴り、その勢いのままに放つ《蹴術》スキル、《弦月》。

 援護に入ろうとした、ランのガラ空きのボディーを貫く勢いで放つ矢の様な蹴り技。これも、熟練度と専用装備、補正の効くブーツやレギンスを装備していない為、ダメージは見込めないが、アスナの《拳術》同様に、システム的なスタン効果、そして 受けた当人が驚く、と言うスタン効果が相乗効果で効くのだ。


 レイナが、ランを押し戻し且つ、止める事に成功。
 
 その千載一遇の勝機に、アスナが放つ。

「(レイ、ナイス!! いける――ッ!!)」

 渾身の連携、完全に意表を突いた連携を無駄にしない為に、アスナは躊躇なく、ソードスキル《カドラプル・ペイン》四連?を発動させた。

 眩く煌く淡い水色の閃光。

 水妖精族(ウンディーネ)が放つエフェクトと共に放たれる閃光と共に、システムの見えざる手に後押しされて、まさに閃光――稲妻の様に宙を裂いた。

 この時、アスナは勿論、視線だけ向けていたレイナも、直撃を確信した。
 なぜなら、相手は体勢を崩している上に、距離的にももはや回避不可能だ。先程のランの鮮やかな弾き(パリング)も、レイナの一撃のおかげで、離す事が出来ている為、こちらも距離的に不可能。

 絶剣と剣聖、どちらか1人を離脱させる事ができれば、楽に、とは決していかないと思えるが、勝機は格段にあがるだろう。

 それらが頭に過ぎった時、目の前にいる絶剣のユウキ……、その顔を見て、アスナは、戦いの序盤。ファーストコンタクト時に、受けた戦慄が再び走った。

 ユウキは、その愛くるしいとも思えていた目を、更に大きく開ける。そこには拳術を受けた時の様な驚きは一切ない。その闇妖精族(インプ)独特の色である、赤紫色の瞳は、ただただアスナの放つレイピアの先端に焦点を合わせていた。

「(――っっ!! あの距離で、お姉ちゃんのソードスキル(攻撃)を、受けられる筈が―――)」

 それは、僅かに離れているレイナでさえ、その眼光が捕らえているのが、アスナのレイピアだと理解できる程だった。

 そして 出来るわけが無い、とレイナは思っていた。思いたかったのだが、アスナは違う。

――カドラプル・ペインが見えてる!? 見えるの!?

 そう、確信してしまったのだ。
 
 そして、そのコンマ数秒
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