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ソードアート・オンライン〜Another story〜
マザーズ・ロザリオ編
第232話 オリジナル・ソードスキル
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闘の経験は、あまり無いのかもしれない。
と言う事だった。
アルゴリズムの変化、イレギュラー性が出てきている。
それは、あの旧アインクラッドの上層で起こった出来事であり、ここ ALOではまだお目にかかった事はない。
そもそも、フロアボスや邪神モンスター等 敵のステータスが信じられない程跳ね上がっているから、する必要が無いのかもしれないが、それでも アトランダムな攻撃をしてくる相手との戦闘経験があれば、対プレイヤーにも役立てるが、この世界、ALOではそれを経験する事が出来ないのだ。
だからこそ……。
『そこに、付け入る隙がある。そこに、勝機が見える……!』
一瞬でも、意表を突く事が出来たら、と2人は同時に感じた。
4人は、殆ど 互いのパートナーと肩を並べて戦い続けていて、あと数cm 剣先がブレると味方に直撃しかねない程の距離で戦っている。レイナは一瞬。本当に一瞬だけ、アスナに目を向け、剣を握っていない、空いた方の手を握り、素早く持ち上げた。傍から見れば、剣を振る反動で上がった、程度にしか感じないだろう。
だが、アスナは そのメッセージを確実に感じ取った。……互いが、同じ方法を、手段を取ろうとしている事も認識したのだ。
その刹那、鍔迫り合いをしていたアスナとユウキを置いて、レイナはバックステップで、2人から離れた。
この選択は、2人を驚かせるには十分過ぎる
選択
(
て
)
だった。
殆ど互角の攻防を続けているのは、其々が1対1で戦っているからだ。連携技も、其々がカバーし合って返しているからこそ、受けきれるのだ。なのに、後ろに下がったのには、どういう意味がある? と。
その選択は、ランがユウキとアスナの均衡状態の間に入って、その横からアスナを仕留める事ができる絶対の好機を与える事になるだろう。それは卑怯でも何でもない。タッグ戦なのだから。
その一瞬の心理の隙間――アスナは意表を突く攻勢に打って出た。
密着状態。剣と剣の鍔迫り合いで、出せる手段を考えても無かったユウキ。そのもう1つの隙間に、アスナは文字通り手を伸ばした。
剣と剣に集中していた為、ガラ空きだったボディ。鎧に覆われてない部分をアスナは左拳で打ち抜いたのだ。
それは、体術スキルの1つである《拳術》のスキル《閃打》
スキルの熟練度をリュウキの様にあげていない事と、
拳
(
ナックル
)
専用の武器を装備していない為、HP的な威力は殆どないが、
通常技
(
デフォルト
)
では有り得ないスタン効果が発生する。
そして、同時に身体を突き抜かれた様な衝撃も感じている事だろう。
二重の驚きは、如何に絶剣の異名を持つユウキであっても隠せられないらしく、目を丸くさせて驚いていた。素直だからこそ、顔にも出やすい
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