暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
マザーズ・ロザリオ編
第232話 オリジナル・ソードスキル
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たから』

 と、回答があった。
 熱心に見ればみる程、逸らせやすくなるらしく、それは、あのSAO時代の最悪のギルドの幹部も使っていたスキル、システム外スキルでもあった視線誘導(ミスディレクション)に通じる物だった。リュウキを必死に追いかけていたレイナだからこそ、余計に強く掛かりやすくなった、との事だった。 

 レイナは、深く息を吸い、呼吸を整える。

「(凄い、けど――、私だって リュウキくんと一緒に、これまでも、……これからも、ずっと戦ってきたんだから。これくらいの驚きなんて、何でも………っっ)」

 ずっと、一緒にいる。そのつもりだった。今はそうとしか考えれてなかった。
 だからこそ、レイナも 同じく、不意に耳の奥にこだまする声があったのかもしれない。


――隼人君を苦しめるくらいなら……っ、私のせいで隼人君を苦しめる結果になる位なら……。


 心の中に刻まれた傷と、想う気持ちの強さ。その狭間でレイナは揺らいでしまった。

 アスナと同じタイミングで。






 互いが、其々抱える懊悩。それは決して他人に治してもらえる物ではない。それが、例え姉妹であっても――愛する人であっても。

 自分で、立ち直らなければならない事であり、乗り越えなければならない事なのだ。
 
 そして、何よりも 今は関係ない。戦う相手を眼前に、迷いを抱えたまま戦ったとしても、決して身体は動いてくれ無いだろう。相手にも失礼だ。

 何とか、2人ともが、噛み締め 懸命に意識からノイズを振り落とす。

 せめて、この戦いの最中だけは……。


――剣士でいられるように。
――最愛の人の傍にいられるように。


 心を強く持とうと意識をした事と、強大な相手を前にした事で、アスナとレイナの精神は、極限にまで、研ぎ澄ます事が出来た。

 その気迫は、相手側にも十分過ぎる程伝わったのだろう。
 
 笑顔を向けていたユウキは、一瞬口が開き……、そして 引き締めて、剣を握る手に力が入ったのだろう。その紫水晶の剣が僅かに揺らいだ。
 ランも、同様に感じ取ったのだろう。ユウキの剣よりも明らかに長く煌く白刃。構える角度をゆっくりと変えた。





――ピン、と張り詰める空気。

 



 そして、その空気を正確に感じ取った者がいた。
 
「……入ったな」

 それは、小さく消え入りそうな程感じる言葉だったが、僅かに聞き取る事が出来たリーファは、『何が?』と訊こうとした瞬間。

 目の前では、再び激戦が幕を開け用としていた。
 大地を力強く蹴り、4人同時に飛び出していたのだ。






 今回は、先程の様に 2対1の図に持っていったりはしていない。
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