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お好み焼き
1部分:第一章
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大阪は無敵や」
 桜は今度は無敵だと言い出した。
「無敵の大阪。味合わせたるで」
「やるか?」
「やらいでか?」
「だからだ。お好み焼きで勝負をつけろ」
 いい加減うんざりとした調子での先生の怒りの言葉だった。
「わかったな。お好み焼きでだ」
「あっ、それでっか」
「それで勝負つけりゃええんじゃな」
「そうだ。当たり前だろうが」
 怒りを十二分に含んだ言葉であった。
「お好み焼きでいつも喧嘩しているんならそれで決着をつけろ」
「そうだよな」
「ああ、全くだ」
 それまで二人のあまりもの破天荒さの前に見ていることしかできないでいたクラスの皆は先生のその言葉に完全に同意して頷くのだった。
「お好み焼きで言い合ってるんだからやっぱりな」
「それだよな。決着を着けるんならな」
「そうだよな」
「わかったな」
 先生はあらためて二人に対して問うた。
「それでな。いいな」
「うちが絶対に勝つしな」
「うちが負けるけえ」
 二人はこう言われても相変わらずの調子だったがそれでもだった。

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