第108話
[8/10]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
浮遊都市を落とすにはもってこいだとは思わないかね?」
「じょ、冗談でしょ!?大砲なんかで、あの巨大な都市を落とせるはずないじゃない!」
オリヴァルトの言葉を聞いたエステルは反論した所を
「フン。そんな物使わなくてもこの戦艦――”始まりの方舟”モルテニアの飛行能力と火力、そして魔導軍団の火力があればあの浮遊都市に近づき、落とすのは容易だ。それでも落とせないというのなら、空を飛べる兵達をあの浮遊都市に潜入させて、内部から破壊してやる。……よって貴殿等がわざわざ出向く必要はないぞ。」
リウイが鼻を鳴らして不敵な笑みを浮かべて答えた。
「…………どうあっても、私達を阻むと言うのですか?」
リウイの話を聞いたオリヴァルトはリウイを睨んだ。
「お、皇子…………」
その様子をゼクスは表情を青褪めさせた状態で見た。そしてオリヴァルトはエステルの方に振り向いて言った。
「いずれにせよ……一つ、確実に言えることがある。君達には、我々の善意と正義を退けるだけの根拠も実力もないということだ。」
「くっ……」
「………………………………。ならば……証明すれば宜しいのですね?」
オリヴァルトの言葉を聞いてエステルが唸ったその時、クローディアが静かに進み出て尋ねた。
「ほう……?」
「この状況にあってあの浮遊都市を何とかする可能性を提示できれば……。わたくし達にしばしの猶予を頂けるのですね?そしてメンフィルもエレボニアに攻撃を仕掛けないのですね?」
「ふむ、そうだな……。一時的ではあるがそうせざるを得ないだろう。」
「……エレボニアがこれ以上進まぬと言うのであるならば、この場は退こう。」
クローディアの言葉を聞いたオリヴァルトとリウイは頷いた。
(お、皇子……!?)
一方その様子を見守っていたゼクスは驚いてオリヴァルトに小声で言った。
(落ち着け、中将。不戦条約を結んだ相手に当然の礼儀というものだろう。それに証明できれば、だ。)
(し、しかし……それでも目の前のメンフィル軍はどうなさるおつもりですか?)
(心配ない。ここは私に任せておけ。)
(……は………)
ゼクスを納得させたオリヴァルトはクローディアを見て言った。
「それでは……。君たちが可能性を提示できたら一時的に撤退することを約束しよう。『黄金の軍馬』の紋章と皇族たる私の名に賭けてね。」
「エレボニアが退けば、俺達も退く事を誓約する。誇り高き”闇夜の眷属”を統べる皇族にして、メンフィル帝国初代皇帝たる我が名に賭けて。」
オリヴァルトとリウイが宣言したその時!
「その言葉、しかと聞きましたぞ。」
突然、聞き覚えのある男性の声がどこからか聞こえて来た。
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ