第108話
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が混乱しきっている状況です。そこに他意は無いとはいえ、動揺する市民は少なくないはず……。貴国の善意が誤解されてしまうのはわたくし、余りにも忍びないのです。」
「で、ですが……」
「目下、わたくしたちはこの異常現象を解決する方法を最優先で模索しております。また、件の犯罪組織についても自力で対処できている状況です。不戦条約によって培われた友情に無用な亀裂を入れないためにも……。どうか、わたくしたちにしばしの時間を頂けないでしょうか?」
「…………むむ………………」
クローディアの話を聞いてゼクスが唸ったその時!
「……残念だが、それはそちらの事情でしかない。」
ゼクスの後ろから、エステル達にとって見覚えのある金髪の青年がクローディアのように貴族の服を着て、そしてミュラーを引き連れて現れた!
「……皇子……」
「ここは私が引き受けよう。下がっていたまえ、中将。」
「は……」
そして金髪の青年がゼクスより一歩前に出た。
「……へっ……」
「まさか……」
「冗談だろ……」
「あら?あの方って……」
青年を見たエステルとシェラザード、アガットは信じられない表情をし、リタは首を傾げた後、青年を見た。そして金髪の青年は名乗りを上げた。
「お初にお目にかかる。クローディア姫殿下。エレボニア皇帝ユーゲントが一子、オリヴァルト・ライゼ・アルノールという。」
「!!!(皇帝の一子って……お、皇子様ってこと〜!?シェラ姉、知ってたの!?)」
(し、知るわけないじゃない!てっきり帝国から派遣された諜報員だと思ってたわよ……)
オリヴァルト皇子の名乗りを聞いたエステルは、オリビエと名乗った皇子を見た後、シェラザードに尋ね、尋ねられたシェラザードは信じられない表情で答えた。
「オリヴァルト皇子……名前だけは存じていましたが。」
「フフ、皇子とはいってもしがなき庶子でしかないのでね。公式の場で出ることも少ないから顔を知らなくても不思議はない。そかし、そうは言っても少しばかりショックではあるな。縁が無かったとはいえ、かつての縁談相手の顔くらいご存じかと思ったのだかね。」
「!?(あ、あんですって〜!?)」
(えええええ〜!?)
(そうか……大佐が進めていた話か。)
さらにオリヴァルトの話を聞いたエステルとミントは驚き、ヨシュアはクーデター事件の事を思い出した。
「そうでしたか……。存じなかった事とはいえ本当に申し訳ありません。」
「まあ、女王陛下の与り知らぬところで進められていた話とは聞いている。その事は別に気にしていないが……。だが……今回の事態は見過ごせないな。」
「……あ…………」
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