第108話
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…。それにどうしておぬしらまでいるのだ!?)
クローゼの話を聞いたモルガンは戸惑った後、エステル達を見て尋ねた。
(一応、クローゼの護衛なの。)
(それと、いざという時には仲裁をさせてもらうつもりです。)
(ミントとママはメンフィルの貴族だけど、この場は”遊撃士”として仲裁するつもりだよ。)
(むむ……)
エステルとヨシュア、ミントの話を聞いたモルガンは何も返せず、唸った。
(未熟な私に交渉役は務まらないかもしれませんが……。ですが、王太女としての務めを果たすべき時だと思うのです。どうか……お願いします。)
( ……分かり申した。ですが、いつ牙を剥くか判らぬ軍勢の前です。いざという時はすぐに門に逃れる準備をして下され。)
(……分かりました。)
そしてクローゼが一歩前に出た。
「どうやら交渉相手が変わったようですな。見ればやんごとなき身分のお方とお見受けいたすが……」
「お初お目にかかります。わたくしの名は、クローディア・フォン・アウスレーゼ。リベール女王アリシアの孫女にして先日、次期女王に指名された者です」
「!!こ、これは失礼いたした!自分の名は、ゼクス・ヴァンダール。エレボニア帝国軍、第3師団を任されている者です。」
クローゼがリベール王太女クローディアと名乗り上げるとゼクスは驚いた後、敬礼をして自己紹介をした。
「あなたが……御勇名は耳にしております。」
(あのオジサン、有名なの?)
(『隻眼のゼクス』……帝国でも5本の指に入る名将だ。)
エステルの疑問にヨシュアは静かに答えた。
「しかし以前、殿下のお姿を写真で拝見したことがあるのですが……。お髪をお切りになられたのですな?」
「恥ずかしながら……立太女の儀を済ませたばかりの身。身に余る重責に立ち向かうための小娘の決意の表れとお考えください。」
ゼクスに尋ねられたクローディアは苦笑しながら答えた。
「いや、しかしそのお姿もとても良く似合ってらっしゃる。改めて……王太女殿下におかれましては誠におめでとうございます。」
「ありがとうございます、中将。」
「して……王太女殿下がどうしてこのような場所に?モルガン将軍と同じように我々に抗議するおつもりですか?」
「いえ……そのつもりはありません。帝国南部の方々もさぞかし不安な思いをなされている事でしょう。夜の闇、寒さ、情報の途絶……。どれも不安をかき立てるのに充分すぎる出来事でしょうから。」
「………………………………」
クローディアの話をゼクスは黙って聞いていた。
「ですが、考えて頂きたいのです。このまま貴国の軍隊が我が国に入ってきた場合の問題を。ただでさえ、貴国以上に全土
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