第34話
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それが感じられん。小物っぽさがそのまま煽りの才になっておるのぅ」
「あの、オーディン様。それって実力が足りなかったら一番最初に死んでいくってことですよね」
「それを見極める目をあの男は持っておる。曲者じゃな。時間をかければかけるほど、奴に隙は無くなっていく。成長性という意味ではあの男は化け物じゃろう。存在そのものが神滅具と言っても良いな」
「まあ、僕もプロフェッサーもアーチャーも頭のネジが何本か抜けてるような存在だからね。アーチャーも存在そのものが神滅具のような存在だしね。存在としては僕が一番普通かな?」
「あの二人を取り込める器を持っている時点でお前も普通とは言えねえよ」
「あまりそういうのを気にしないだけなんですけどね。それとオーディン殿、このままどうされますか?放っておいてもプロフェッサーが適切に処理してくれますけど」
「ふむ、このままでも安全なら見ておきたいのだが」
「いや、あれは見せても問題のない物で時間稼ぎをしているだけですよ。オーディン殿から逃げたい一心でしょうね。そうじゃなかったらもっと派手にやってる筈ですから」
「ほう、さらに派手にか」
「魔術関連以外にも錬金術に科学、魔術と科学を合わせた魔科学、研究できる物は片っ端から研究していますから。屋敷の防衛機構の管理は全てプロフェッサーに任せていますからね。僕らの中で唯一、邪悪に対する一振りの剣の領域にまで足を踏み込める存在なんですから」
僕とアーチャーではルゥの力を引き出すことはできない。扱う才能はプロフェッサーが全て持っている。そして、その負荷をも全てその身に引き受けている。あの吐き気を催す黒い何かに頭の中をめちゃくちゃに掻き回されながらもそれを表に見せずに笑って戯けて少し変わった変人程度に見せる。それが出来るだけの何らかの強固な信念を持つ男。それがプロフェッサーだ。
欲望に対する理性が働きにくいのは汚染の影響だ。だから、やりたいことは何でもやるし、自分の成果を評価してもらいたくて色々と派手な演出を行う。それをしないということはとことんオーディン殿から逃げたいのだろう。
「あ〜あ〜、ミドガルズオルムっぽいのが一撃でやられて工房内に転移で取り込まれて蒲焼にされ始めたぞ。やっぱり変な煙が出て咳き込んでるけどよ」
「不味かったみたいですね。ミッテルトさんが買っている微妙な味のアイスとかお菓子を食べている時以上になんとも言えない顔をしてますから」
「釜に突っ込んで、あれは、カレー粉か?やっぱりダメみたいだな」
「日本のカレー粉が負けるなんて食べ物じゃない判定を下すしかないですね。あっ、ようやくロキが逃げられないことに気づいたみたいですね」
「さて、巻き返せるといいな。本格的に籠城戦をするつもりなのか居住性を
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