第34話
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プロフェッサーも対策を積んで来てますから」
「それは、簀巻きにされてる状態でなんとかなるのか?」
予想通りロキを挑発している所を見るとたぶん大丈夫でしょう。とりあえず様子を見るために人数分の双眼鏡を準備して手渡します。
「……生半可な殺し方じゃあ死にませんから」
「まあ、簀巻きの状態でロキ相手にケンカ売ってるからな。おい、フェンリルに上半身丸々食われたぞ!?」
「でもフェンリルが血を吐いてのたうち回ってるってことは食われるのを前提にして毒を用意しておいたんでしょうね。たぶんそろそろ何事もなかったかのように何処からともかくやってきてミッテルトさんと一緒に微妙なフレーバーのアイスを投げ始めますから。というか、ミッテルトさん縄抜けとか出来るんだ。久遠さんもいつの間にか混ざってるし」
フェンリルは完全に動かなくなっているところを見ると完全に死んだみたいだね。久遠さんが剥ぎ取りを始めてるけど、ロキは完全にミッテルトさんしか見えてないみたいだね。ミッテルトさんは既に結界を張って領域を確保してプロフェッサーの下半身を釜に放り込んで材料を追加してかき混ぜ、すぐにプロフェッサーが復帰する。そしてプロフェサーがバインダーから術式を書き込んだ紙を飛ばして簡易魔術工房を組み立て始めた。
完全に籠城戦をするつもりだ。新しく釜とか、実験器具を次々取り出してるし。既に調合を始めている。ミッテルトさんはいつの間にか魔術工房から抜け出してフェンリルの死体を簡易魔術工房で覆っていく。挑発を兼ねるのか大工みたいに金槌を振り回して家を建てるように作っていく。
「あいつらの余裕はどこから出てくるんだよな?」
「それだけの努力と準備を怠っていないという自信からでしょう。解体が終わったフェンリルの肉でバーベキューなんか始めてますよ。変な煙が出て咳き込んでますけど」
「ロキの野郎、更に頭に血が上ってるな。完全にオレ達のことを忘れてやがる。一口食って捨ててるけど、あれってあいつが仕込んだ毒のせいじゃないのか?」
「それ以外に気づいてます?ロキを逃さないようにビル丸ごとを覆う結界を片手間に構築してるのを。外からは入れるけど、中からは逃げ出せないタイプの結界ですね。さあ、どうなんでしょうね?元気そうにしているので毒の所為ではないと思いますが」
「あやつ、ふざけていた割には用意周到じゃな。ロスヴァイセ、今のお主であのスピードであれだけのことをやれるか?あの金髪の小娘の方をだ」
「……無理です。一度に複数のことを並行して行っています。どれか一つだけならあの速度には達せるでしょうが」
「ふぅむ、実に興味深い。才は感じられなかった。つまりあれは適切な指導と努力の成果ということか。いや、煽りは天性の物じゃな。あの男は演じておるが、小娘には
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