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緋弾のアリア-諧調の担い手-
夏休みU
第一話
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界の様に半径100mに張っている。
異常存在を察知したら直ぐに俺に伝える様に、そう蜘蛛の巣の様に張り巡らせている。


「―――ッ…なんだ!?」


歌を口ずさんでいる時。
不意に…ズン、と鈍い振動が地面を揺らした。一瞬遅れて、爆発音が響く。

爆発音は、尚も絶え間なく響き続けている。
単なる事故や自然現象では説明がつかない、人為的な破壊が行われているのだ。

荒れ狂うマナの波長が、常人にも感知出来るレベルにまで伝わってくる。

―――このマナの波長は…。
時夜は表情を歪める。この爆発と異変を起こしているものの正体に気付いたのだ。


『―――警告します、時夜。現在、台場港区にて何者かが“眷獣”を使役して戦闘行動を行っています』

「…全く、何処の“蝙蝠”だ。まさか“アクア・エデン”の奴らじゃないだろうな?」


イリスの報告に嘆息しながら、俺はその場より駆け出した。
それは子供に出せる、否、常人に出せる速度を遥かに凌駕する。


『…どうしますか?』

「…とりあえず、様子を見に行こう。話はそれからだ」


跳躍し、民家の屋根に着地。そのまま更に空中にて翼のハイロゥを展開。文字通り俺は飛んだ。
夜色に染まった、けれど明るい世界を時夜は飛翔する。

そうして見えたのは上空に浮かぶ、直径数十メートルもの火球であった。







1








「……時夜、本当に大丈夫でしょうか?」

「…心配ではありますが、イリスと時切も一緒です。何かあったらイリスから連絡が入る様になってます。今は信じて待ちましょう。…けど心配です。あの子、色んな意味でフラグメーカーですからねぇ」


リビングから直結している縁側より外を見据えながら、心配そうな面持ちでカナはそう口にした。

今から十分程前、時夜は食後のアイスを買いに行くと、外へと出て行った。
那月の言う事が本当ならば、その時夜は恰好の的となり果てる事だろう。

今この東京で、報道されてはいないが確かに起こっている事件だ。
相手は能力者や存在マナの多い存在を主に置いて、襲っているという。

本来ならば、外出などせずに襲撃事件の犯人が捕まるまで出歩くのは避けるべきだろう。
警戒を怠っているとは言わないが、物事を軽視しているのか。まぁ、彼に限ってそれはないだろうが。

とにかく迂闊だ。
それにお義母様が言った様に、あの人はフラグメイカーなのだ。…色々な意味で。

私がどれだけアピールしても、それに一向に気付く事はない。

一体、無自覚にどれほどの女の子を射止めてきたのだろう?
お義母様の話を聞くに、それなりにいそうだが。

お母様も凍夜さんの似て欲しくない所が似てしまっ
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