1部分:第一章
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り食べてどうするのよ」
またむっとした顔で夫に言い返す。
「肉は食べ過ぎると太るのよ」
「太るのは運動が足りないからだろ」
京介の言葉も負けていない。
「だからだ。いつもはードに身体を動かしてだな」
「妊婦がどうやって身体を動かすのよ」
「腹の中に子供が一人いるだろ」
「二人でしょ」
何と子供の数を忘れている京介だった。かなり酷い。
「この前教えてもらったでしょ」
「ああ、そうだったか」
「そうだったかって子供の数位覚えなさい」
今度ばかりは本気で少し頭にきたようである。
「全く。私より一個年下なのに」
「おい、御前さりげなく間違えるな」
今度は京介が言い返す番だった。
「三つだろうが。俺より三つ上だろ」
「女は時々年齢を忘れるものなのよ」
歩美もまた平然としていた。
「女も二十四ともなればね」
「俺、二十三だぞ」
京介は自分の歳だけは覚えていた。
「御前二十六だろ。だったら俺は二十一になるんだが」
「女の年齢は気が向いたら変わるのよ」
かなり勝手だ。最早話が何なのかわからないようになっていた。いい加減カオスになってきたので歩美は話を戻してきたのだった。
「で、何で悩んでいるのよ」
「ああ、お腹の中の子供はな」
「紛れもないあんたの子供だから安心しなさい」
「そうか」
「そうよ。DNA検査もしたでしょ」
今度はかなり本気の言葉だった。
「私から言って」
「ああ。そうだったな」
「男の子二人よ。しかもね」
「いいことだ」
「私は女の子が欲しかったんだけれど」
本気で頭にきだしていた。いい加減夫の馬鹿っぷりに腹が立ってきたようである。
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