夏休みT
第六話
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からも、世界からも切り離された超常の存在。
一度その世界から出てしまえば、その存在を初めから“なかった”事にされる。
故に、人と同じ時間を生きて行く事は出来ないのだ。
今までは考えなかったけど、俺も何時か皆から別れて、その存在を忘れられる事になるだろう。
……湿っぽい想像が頭を流れた。
気持ちを切り替える。今は目先の事よりも、目の前の事に集中しよう。
「…それでは始めるぞ、準備はいいな?」
思考に陥り、月姉の言葉を聞き逃す所であった。気を引き締める。
「個々の目標はエターナルミニオン50体の撃破だ。その後、私との模擬戦闘。制限時間は30分、では始めるぞ」
高級そうな懐中時計を手に、そう淡々と告げる那月。
刹那、俺とカナはその合図と同時に対極的に左右へと跳んだ。
刹那、炎の熱線が二人を遮る様に放たれる。赤の神剣による神剣魔法だ。
コンクリートを融解し、大きな爪痕を残したその威力を傍目にして、俺は首に掛けたイリスに命じる。
「―――イリス、刀身構築」
『対マナ存在に設定を変更します。銀単子を核に固定。所有者のマナをオーラフォトンに転換、コーティング。破壊限界を七倍に設定します』
左手に持った刀身のない柄から銀の背が伸びて、輝くオーラフォトンを纏う刀剣を形成していく。
俺はその完成を待たずにして、鉄柵を乗り越え、ビルの屋上から飛び降りた。
それに続く様に、リアが屋上から飛び降りた。
リアの身を光が包み、その姿を神々しい光を放つ四本の鞘へと姿を変える。
カナの方を見れば、虚空から自身の大鎌型永遠神剣を取り出し、別のビルの屋上に飛び乗っていた所だ。
「―――ハァッ!!」
下方から放たれる神剣魔法を諧調にて受け止めて、そのマナを吸収する。
そうして、上空からの強襲性を持った左の剣の一撃で相手の防御に拮抗するが、その上から切り崩す。そうして、逆手に構えた右の時切で、回転する様に胴を横に真っ二つにする。
相手が苦悶の声を上げ、マナの粒子に変わっていく。
それを傍目にすら入れずに、更に俺は地面を強く蹴り、駆け抜けた。
俺は人一人としていない街を疾走する。
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「……う、動けない」
腕を軽く動かすと、金属の擦れる音がする。
今の俺は四肢を虚空より伸びる鎖にて拘束されて、身動きを封じられている。
何か行動を起こそうものなら、俺の四方を覆い込む刀剣に刺し貫かれる事だろう。
これ、なんて王の財宝?
不意に戦闘中とは言え、そんな雑念が襲ってくる。
時切は俺の手を離れて、遥か下のコンクリートに突き刺さっており。
イリスによって構成されたオーラフォト
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