暁 〜小説投稿サイト〜
緋弾のアリア-諧調の担い手-
第四話
[1/2]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話


時夜side
《自宅・自室》
AM:7時14分


「……もう、朝か」


擦れた声で、そう呟く。
声とは裏腹に。今日は寝惚ける事もなく、自然と起きる事が出来た。

うん、お目々も遅くまで起きていた割にはパッチリだ。
昨日は美咲の対処に追われて、図書館では結局の所、勉強する事が出来なかった。

だって、人の顔を見る度に瞬間沸騰機の様に顔を真っ赤にして意識を手放す。結局原因は解らなかった。
それの繰り返しを何度続けた事か。イリスには朴念仁とよく言われるし、よく解らない日であった。

流石に放っておく事も出来ない故に。
結局は読書感想を書く為に本を借りただけで、勉強は家で行ったのだ。

それで普段より、少し遅い時間帯まで起きていた、ウチの学校は先にも言った様に宿題が多い。
その為か、大学生の頭脳を持つ俺でも少し時間が掛った。

締めきられたカーテンの隙間から漏れる陽光から察するに、今日もいい天気なのだろう。
網戸からそよぐ、心地よい朝風が俺の顔をくすぐる。


「……さて、起きようか」


そうして、ベッドから起き上がろうとすると―――


「…な、なんだ……?」


思わず、その現象に戸惑う。
まるで何かに押さえ付けられているかの様に、身体が微動だにしない。

昨日のフィアの時とは違い、腕一本だけではない。
身体全体が言う事を聞かない。これは、俗に言う…。


「…金縛りってやつかな」


実際に体験するのは初めてだ。
よくテレビとかでは体験談とかは聞くが、本当に身体が動かなくなるんだな。

……実に、興味深いな。いや。そんな、悠長に思案している場合ではない。

こういう場合、一体どうすればいいのだろう?対処方法が全く見当がつかない。

俺は唯一身体で動く首を若干であるが浮かして、自身の身体を確認する。
そこで、俺は自身が着ているタオルケットが異様に膨れている事に気付いた。

そして冷静になると、人肌の様な柔らかさと暖かさを感じられる。
とりあえずの所は、金縛りという訳ではなさそうだ。

ひとまず肩の荷を下ろす。なんだろうか。また昨日の様にフィアが入ってきたのか?


「…いや、それにしたって」


それにしては膨れ過ぎだろう。薄地のタオルケットの為にシルエットが浮かび出る。健やかな寝息をたてているのか、布越しに身体が僅かに上下する。

ソフィアの容姿は五歳児並みの身体年齢の為に、ここまで膨れる事はない。
シルエットに映る姿も違う。目測だが、見た目は俺と同年代位だろう。

仮にだが、絶対に無いがリアが入ってきていた場合は今の場合よりも膨れ上がる。
―――ならば一体誰なのか?

唐突に、そして自然に出てくる疑問
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ