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緋弾のアリア-諧調の担い手-
after days
第二話
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った。
警告と取ってもいいだろう。

―――敗者の王にお気を付けなさい。

それが何を意味しているのかは、俺には今はまだ解らない。
けれど、それは決して忘れてはいけない事の様にも思える。

ただただその言葉が深く、俺の胸裏に余韻を残こしていた。







1







「…ふぁあ」


意識が、朧気ながらも現実へと覚醒していく。狭い感覚が徐々に広く拡散していく様な感覚。
ベッドから上体を起こして、眠り眼を擦り、欠伸を噛み殺す。

―――…もぞ…もぞ…


「……んっ?」


布団の中で何やら小さく動いている。
そして、下半身部分に何やら人体の様な温かな柔らかさを感じる。

―――…何だ?

怪訝に思い、俺は布団を捲って中を覗いた。一瞬、寝起き故に思考が硬直したと思った。
その後、直ぐに布団を元の場所へと戻す。


「…ファッ!?」


思わず、奇声が口から出た。そうして、少し落ち着いてから悪いとは思ったけれど中を覗いた。
まだ、夢を見ているのかと思ったからだ。

直ぐに首を振って否定する。…いや、これは現実だ。
今の出来事で俺の目は完全に覚醒していた。

だってさ、自分と同じ布団の中に見ず知らずの、それも同い年位の女の子がいると思うか?

それだけならば、まだいい。いや、良くはないけれどさ。

問題なのは、その風貌だ。一切の衣服を纏っていなく、隠す所も隠していない。
一千纏わぬ、生まれたままの姿だ。

……正直、目線に困る。


「……うみゅ……っ」

「あの、出来れば起きてくれないかな?」


俺は布団の中の碧銀色の髪をした少女にそう呼び掛ける。
そうして、漸く起きる態勢へと移る。


「……んっ?……う、ん」


眠り眼を擦り、少女が朧気な蒼い瞳をうっすらと開く。そうして、俺と視線が交差する。


「……あっ、パパだぁ!」


無邪気な笑顔を浮かべて、そう言葉を発して俺に抱き着く少女。


「…なぁ?!ちょっと!?」


抵抗など出来ず。
一千纏わぬ少女が俺に抱き着いてきて、その女の子特有の柔らかさと匂いが俺を包む。

それよりも、少女の言動に気になる事があった。

……パパ、だと?


「…なぁ、時切?これは現実かな?」

『…現実よ。時夜、紛れもなくね』


…全く、気が休まらないな。
とりあえず、一難去ってまた一難と言った所か。


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