外伝〜ジェニス王立学園占拠事件〜前篇
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シュアが通信器に『零力場発生器』を付けた。
「……これで設置は完了です。」
「おお〜!?」
通信器が使えるようになった事にジャンは驚いた。
「これで通信器は使用可能になりました。ただし、先方の通信器が直っていることが前提ですが。」
「いや〜、それでも大助かりさ!この状況で、情報があるのとないのとでは天地の差だからね。ラッセル博士と君たちにお礼のキスをしたい気分だよ!」
「あはは……気持ちだけ受け取っておくわ。」
ジャンの言葉を聞いたエステルは苦笑しながら言った。
「まあ、この調子で残りのギルドの通信器を直していくつもりだが……他に手伝うことはあるか?」
「そうだね……。一応、掲示板に出ている仕事をチェックしておいてくれないか?それと、ルーアン近郊で民間人がいそうな場所の様子を確かめに行ってくれると助かるよ。」
アガットに尋ねられたジャンは考え込んだ後、答えた。
「確かに、こんな状況だしパトロールは必要かもね。」
「できる限り気を付けて回ってみることにします。」
「ああ、よろしく頼むよ。」
そしてエステル達は念の為にルーアン以外にも人が住む場所――ジェニス王立学園やマノリア村のパトロールをするためにルーアン市を出た。
〜ヴィスタ林道〜
まずジェニス王立学園に向かう為に学園に向かう林道にエステル達が入ったその時、誰かの悲鳴が聞こえた。
「今のは……!?」
「急ごう、エステル!」
突然の悲鳴にエステルは驚き、ヨシュアが促した。そしてエステル達は悲鳴が聞こえた方向に急いだ。
「あうっ……。く、くそ……どうしてこんな事に……。は、早く報せなくちゃ。」
一方その頃悲鳴の主である一人の男子生徒が逃げるのに必死で、思わずこけてしまい、どこかに向かおうとしたが
「グルルルル…………」
何かの唸り声がした。唸り声がした方向を見ると、結社の装甲獣が数体、生徒に迫っていた。
「ひっ……」
装甲獣達を見た生徒は悲鳴を上げた。
「グル!」
そして装甲獣の一匹が生徒に襲い掛かったその時!
「はあああっ!!」
エステルが飛び込んで、棒で弾いた!
「あ、あんたら……!?」
エステル達の登場に生徒は驚いた。
「話は後で!こいつらを追い払うから!」
「下がってて。巻き込まれると危険だ。」
「後は私達にお任せ下さい。」
「なんでこんな場所に装甲獣がいやがる……!」
「クルツさん達と一緒にたくさん掃討したはずなのに……!」
生徒にエステルとヨシュア、リタは警告し、アガットとミントは武器を構えて敵を睨んだ。
「……来るわ!」
そしてシェラザードが警告
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