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マヨネーズ女
3部分:第三章
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第三章

「後は何時その電話がかかるかだけれど」
「何時かな」
「さあ。それについては」
「私達は知らないけれど」
「私も」
 OL達の今度の返答はどうも要領を得ないものだった。そこまではというわけだった。
「何時なのかはね」
「彼氏があの娘に電話かけてくれるのかは」
「じゃあずっとこのまま!?」
「今日だけじゃなくて」
 男の社員達はそれを聞いてもう耐えられないといった顔になるのだった。それはOL達も同じだったがそれでも彼女達は言うのだった。
「それはわかるけれど」
「向こうには向こうの都合があるし」
 その彼氏のことである。
「何時かけてくれるかまではね」
「わからないから」
「うわ、こんな状態が何日も続くなんて思ったら」
「胃がもたないよ」
「僕は肌が」
 それぞれストレスを感じているということだった。それもかなりである。
「私だってそうよ」
「こんな戦場みたいな状態」
 今度は戦場であった。とにかく臨のいらいらとした様子が皆にかなり深刻なストレスを与えていてそれでどうしようもなくなっていたのである。
「何時まで続くのかって思ったら」
「嫌になるわよ」
「早いうちにかけて欲しいな」
「全く」
 これは皆の願いであった。
「せめて今日までにしてもらいたいよ」
「明日も続くとなると」
 こんなことを話して緊張に耐えているうちに一日が終わった。結局この日は臨はいらいらとしたままであり核爆弾のままだった。その核爆弾が会社を出ると暫くして。携帯に電話がかかってきたのだった。
「はい」
 彼女はすぐにその電話に出た。そうして次の日出社すると。いきなり皆に挨拶するのだった。
「おはよう」
「おはようございます」
 満面の笑みであった。実に上機嫌で皆に挨拶をするのだった。
 そして課長にも。コーヒーを出したうえで言うのだった。
「おはようございます」
「あっ、うん」
 昨日のことを覚えている課長は彼女が明るい顔で挨拶をしてきてそのうえでコーヒーまで出してきたのでまずはこのことに驚くのだった。
「おはよう」
「どうぞ」
 そしてまたコーヒーを前に出してきたのだった。
「コーヒーです」
「有り難う。それじゃあ」
 面食らった顔のままだったがそれでもそのコーヒーを受け取って飲む。この日臨は至って上機嫌なままで実に明るく仕事をするのだった。
「今日は明るいわね」
「それもかなり上機嫌だけれど」
「彼氏と仲直りしたのかな」
 皆その彼女を見て部屋の端で話すのだった。彼女に聞こえないようにして。彼女は今は自分の机のパソコンの上でにこにことしながら仕事をしていた。
「それで」
「そうみたいよ」
 OLの一人が皆に述べた。
「謝って。電話でね」
「そう。よかった」

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