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剣士さんとドラクエ[
91話 剣士2
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だ。ファントム・ペインってやつだろうか?……あれはまた違う条件で起こるものだけど。

 でも、本当は泣きたいほど激痛があっても傷はない。体力だってまだまだ大丈夫。だから限界まで重ねてスカラを唱えたのに不安げなククールをゼシカの補佐に押し出して私はドルマゲスに連続でカッターアタックを叩き込んだ。

 カッターアタックって要するに、剣気。ん?かまいたちと何が違うのかって?ちゃんと違うよ。かまいたちは敵に一体を狙うものだからその幅が小さい。私のカッターアタックは敵全体を対象に出来るから幅が大きい。ドルマゲス、大きい体になってもエルトの攻撃を避けたりするから範囲があった方がいいんだ。

 カッターアタックがドルマゲスの体を切り裂く。それによって申し訳程度に血が滲みでる。なんとか潜り込んだヤンガスのかぶとわりが炸裂して、血がバッと舞った。……でも、それだけ。なにもかも浅すぎる。小さすぎるダメージだ。あぁ、ヤンガスも吹っ飛ばされてしまった……ククールがベホマとスカラをかけに、走る。

 流石に、あまり近づきたくない。でも、これじゃあ、駄目だ。エルトがどれだけ頑張ったって勝てない……。それにそもそもドルマゲスの手の内はわからない。魔法が使えるなら、近づかなくたっていいんだから……。

 ……そして予感は悪い方向に的中した。ドルマゲスは、ヤンガスが再び向かうその前にマヒャドを唱えたんだ。

 マヒャド。鋭い氷の刃。それはいくつもいくつも現れて、私たち全員めがけて降り注ぐ。魔法的な氷は、明確に意志を持ってこちらに向かってくる。

 二三、斬り捨てた。でも駄目だ。あの巨大な氷はククールに当たる。ゼシカに当たる。ヤンガスは自力でなんとか出来るけど、エルトはドルマゲスを抑えるのに必死で手が回らない。みんなの氷を斬るのは、間に合わない!

 幸いというか、エルトもゼシカもククールもマヒャドの一撃でどうこうされるほどやわじゃない。でも私は、駄目だ。魔法が強化されて降りかかる私は、頬を切り裂き、胸に刺さりかける氷を払い除けることで腕を串刺しにされ、死ぬか瀕死のどっちかだろう。

 ……そのときは覚悟を決めてサヨウナラ、かと思ってたんだけど。魔法はふっと当たる前に消えた。かき消したのは、お馴染みになってる禍々しい例の紋章。さっき砕け散ってたんだけど、復活早くない?消えてなかったんだ……。ていうか、防いでくれるのは呪いだけじゃないの?たしかに、ライティアの魔法も弾いてたけど、まさかドルマゲスのも弾けるの?どういうこと?

 ともかく何故か無事だった私は、ドルマゲスが氷に反射した性でくっきりはっきり見えたらしい紋章を見て、驚愕で一瞬硬直したのをいい事にその翼をバッサリ、斬り落とした。右のをズバッと、我ながら見事にね!顔にドルマゲスの血がかかるのもお構い無
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