第23話 頼み
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れるのかと百代は驚きつつも技の発動を止めない。
「――――きー・・・!?」
技は当たったが、士郎に当たると同時に姿は掻き消え、直撃したのは気を込められた石だった。
(残ずぉおおおお!?」
「フッ!」
囮を使う場合は大抵は後ろに回り込まれているので、すかさず背後へと裏拳をかまそうとした百代だったが、既に士郎に首根っこを掴まれていて、技が石に当たった反動も利用した上で空中に投げ出された。
その勢いたるや、徹甲作用による投擲を使われているので、百代はものすごい速度に加えてあまりの衝撃に身動きが取れないまま、かなり上まで打ち上げられた。
「ハハッ!」
打ち上げられた当人である百代は楽しそうに笑う。
まだ数手程だけで此処まで自分を楽しませてくれる戦いに、気分が高揚して行き、自然に今何故こうして手合わせしているかを忘れて仕舞うほどだった。
そんな百代の楽しそうな顔を見て、自分はやり過ぎたと自責するとともに嫌な予感に襲われる。
「・・・・・・まさか」
そして嫌な予感は当たる。
百代は落下しながらも、明らかに派手で火力の高い大技を繰り出す体勢と気を練り込んでいた。
「アイツ後で説教だ」
そんな事を言いながら、もしもの時のために太い木の枝などを使った急ごしらえの弓を取り出すのだった。
−Interlude−
「シロ兄、如何して戦いなんて始めたんだろ?」
「モモ先輩が無理矢理誘ったとか?」
士郎と百代の突然の行動に、一同は驚くばかりだった。
そして準の言葉に何となくそんな気がした大和が謝罪する。
「うちの姉さんが、すまない」
「でしたら今度、七浜までデートでもど――――」
「謝るがそれを受ける気は無い!」
「頑なですね」
話を断られても怪しい笑みを止めない冬馬を無視する事にした大和だったが、皆と同様に士郎に遅れて百代が何をしようとしているかに気付く。
「まさか姉さん・・・・」
「此処川神じゃなくて箱根だよ?不味くない?」
そんな大和達の心配など知らずに、百代の掌から気が練り込まれたビームが放たれる。
「川神流――――星殺しぃいいいい!!」
百代の星殺しのターゲットは当然士郎だ。
その士郎は、避けるそぶりも見せずに急ごしらえの弓を引き絞る。
そして放つ。
放たれた矢は、この技の荒くなっている部分である中心よりもやや上側に吸い込まれるように衝突した途端、星殺しは霧散して、当然急ごしらえの弓矢も空しく千切り砕けた。
「ハハハっ!凄いな、衛宮!」
「・・・・・・」
百代はこの結果にさらに嬉しそうに笑う。
それに対して士郎はしかめっ面だ。
反省の色
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