冴島 大河
第二章 裏切者
第二話 現れた男
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ん、その体で足止めするつもりじゃ……」
「……これは、私なりの詫びです。足を撃ち抜いてしまった、私なりの……謝罪です」
「それなら組長、俺も残って……!!」
「お前は客人を事務所まで連れて行け」
そこまで話して、ようやく足立は冴島と目を合わす。
瀕死の男とは思えない程の、鋭い眼差し。
語らずとも、その男の強さは感じ取れる。
「悪いな、俺は怪我人放って逃げる男やない」
冴島もまた、追っ手の男たちに向き直った。
麻田が思わず駆け寄ろうとするが、秋山にそれを止められる。
「ボロボロの俺たちは、ただの足手まといになる。悪いけど、俺らは逃げさせて貰おう」
目が泳ぐ麻田に、秋山は背中を叩く。
足立が心配だったが、それ以上に足手まといにはなりたくなかった。
「絶対、死なないでください!!」
その声が聞こえた後、すぐに走り去る音が背から聞こえた。
小さく息を吸い、大きく息を吐く。
「手助けさせて貰うで、足立さんとやら」
「……私の足手まといにだけは、ならないでくださいね」
虚勢をはる足立に微笑みかけ、2人は追っ手に立ち向かった。
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