5部分:第五章
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うよ」
祥子は憮然とした顔で言う。
「だって。どうしても食べたいって思ったら自分で作らないとどうしようもないから」
「まあ確かにね」
それは言うまでもないことであった。言われてみればそうである。
「たださ」
「何?」
だがここで岩崎さんは一つ疑問に思うことがあったのでそれを口に出してきた。
「それ、使ってみない?」
「使うって!?」
「だからさ」
目をキョトンとさせる祥子に対して言った。
「料理してでもって言ったよね」
「うん」
それは頷いて認めた。だがそれでも何か訳のわからないといった顔のままであった。
「じゃあ料理番組出る気ない?」
「お料理の!?」
「どうかな、それだと食べられるしさ」
「何か面白そう」
天真爛漫そのものの笑顔を見せてきた。
「いいわよね、それ」
「じゃあそれで決まりだね」
「うん、祥子それしたい」
彼女はその笑顔で応えてきた。
「マネージャーさんお願い。それでね」
「何かな」
話は上機嫌のまま進む。しかしここで落とし穴があった。
「試食とかお願いね」
「えっ、試食って」
岩崎さんはそこまで考えていなかったので目をキョトンとさせた。
「だって皆に食べてもらうんだから。その前に誰かにね」
「あの、それはいいけれどさ」
岩崎さんはその言葉を受けて祥子に問う。
「祥子ちゃんの料理は?やったことあるよね」
「ううん、あんまり」
返事は彼が危惧したものそのままであった。そして祥子はかなり鈍臭い女の子なのだ。そこから導き出される答えといえば。
「けれどお願いね」
その天真爛漫な笑顔で言われる。
「祥子頑張るから」
「わかったよ。じゃあ」
それでもそれに応えることにした。これもマネージャーの務めなのだと覚悟を決めることにした。
「宜しくね」
「うん!」
今度はマネージャーの受難がはじまった。祥子は乗り気だったが岩崎さんは肩を落としていた。それからは彼の苦闘の日々となったのであった。
ダイエットは一苦労 完
2006・11・24
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