第2章:異分子の排除
第25話「事件後」
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するだろう。
「っ、ぐっ...!?」
「...興奮すると頭痛になるみたいだな。まだ安静にしておけ。」
洗脳を解くタイミングが遅かった弊害で、鈴は頭を痛めていた。
「...あんたは、これが分かっていたの...?」
「ああ。...俺の幼馴染、束と千冬も洗脳されていたからな。」
頭が痛いのを抑えながら、鈴は桜に聞く。
そして、“あの”篠ノ之束と織斑千冬も洗脳されていた事に少しばかり驚く。
「だが、もう織斑は洗脳する事などできん。...世界そのものが、それを許さないからな。」
明らかに一夏を嫌悪するようにはっきりとそう言う桜。
「...あんた...何者なの...?」
そんな桜に、鈴は少しばかりの寒気がし、そう質問する。
「...世界の運命が捻じ曲げられ、その影響で死にかけたもう一人の天災...ってとこか?」
「....訳が、分からないわ...。」
頭が痛い事もあり、鈴は思考するのをやめてしまう。
「とりあえず、動けるようになってからか、秋十君が来たら礼を言っときな。君を助けたのは、あの秋十君だからな。...じゃ、俺は目を覚ました事を伝えてくる。」
「...ありがと。」
鈴が短くお礼を言うと、桜はそのまま保健室を出て行った。
一人残った保健室で鈴は物思いに耽った。
「(....また、助けられたのね、あたし...。強く、なったつもりだったのに。)」
想う相手は秋十。今回、助けられた時の事を思い返していた。
「(...ありがとう、秋十。こんなあたしを...あんな仕打ちをしたあたしを、まだ友達だと思っていてくれて...。)」
過去、洗脳されていた時の鈴は、秋十にひどい仕打ちをした事があった。
だが、それでも秋十は鈴の事を友人だと思っていてくれたのだ。
「(...会ったら、お礼言っとかないとね。)」
そう思い、鈴は動けるようになるまで安静にしておくのだった。
襲撃事件が終わり、事件に大きく関わった者達は会議室に集められていた。
「全員、よくやった。...と言いたい所だが、問題点が多すぎる。...まず、篠咲兄妹、オルコット。お前たちは敵の鎮静化に大きく貢献したが、独断行動は危険だ。よって、反省文10枚の罰を言い渡す。...以後、気を付けてくれ。」
「分かってます。...ただ、あれが最善だとも思っています。」
秋十は、そう言って千冬をまっすぐ見る。
「...ああ。エーベルヴァインと更識がロックの解除をするまでの間、その思い切った行動のおかげで護られたのも確かだからな。...これでも少ない方だぞ?」
「な、なるほど...。」
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