第58話
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(………そうだな。それで?その魔神はどうなったのだ?お前の事だ。滅してはいないのだろう。)
「ディアーネなら、あそこにいるよ。」
サエラブの疑問にウィルは笑いながらリフィアにこき使われているディアーネに視線を向けた。
「全く……なぜ我にこんな事をさせる。このような事、使用人がする事だろうが!」
ディアーネは不満の表情を見せながら、リフィアやエヴリーヌに酒や料理を浮かせて、持って来ていた。
「お主は余の使い魔になったのだ!即ち余の下僕!下僕をどう使うかは余の勝手だ。……御苦労だったな。その酒の中から好きなのを選んで呑んでもよいぞ。」
「フン!」
リフィアの言葉に鼻をならしたディアーネは適当に選んだ酒を自分でグラスに荒々しく注ぎ、呑み始めた。
「エヴリーヌ、貴様もそうだが、カファルーもだ!まったく………何を考えて、人間の小娘に従うようになったのだ、あ奴は!どいつもこいつも魔神の誇りを忘れおってからに………!」
「カファルーにはカファルーの考えがあると思うよ?……ディアーネは全然変わらないね。一時期はリウイお兄ちゃんの下で戦っていたんでしょ?まだ、お兄ちゃんの考えが理解できないの?」
「フン!あの時は我がリウイ王に敗北したから、仕方なく従っていたまでの事!」
エヴリーヌに尋ねられたディアーネは鼻を鳴らして答えた。
「やれやれ……どうやらお前には余自ら、色々と教育せねばならぬようだな……全く……エヴリーヌより手間がかかる奴だな。」
「何だと!?」
呆れた表情で溜息を吐いて言ったリフィアの言葉に反応したディアーネはリフィアを睨んだ。
「リフィア、エヴリーヌをディアーネと一緒にしないでくれる?エヴリーヌの方が大人なんだから。」
「フン!我等”深凌の楔魔”の中で一番幼い言動をしていた貴様にだけは言われる筋合い等ないわ!」
「ほう………それならば、余達メンフィルが掲げる”共存”もすぐに理解できるのだな?お前の言っている事を言いかえれば、お主より幼いエヴリーヌが”共存”を理解したのだから、エヴリーヌより成熟しているお主なら当然、”共存”を理解した事にとれるぞ?それとも先ほどの言葉を撤回するのか?誇り高き魔神が。」
エヴリーヌの言葉を聞いて鼻を鳴らしたディアーネにリフィアは口元に笑みを浮かべて尋ねた。
「ぬぐっ………おのれ………!」
(フフ……リフィア、ディアーネを完全に手玉にとっているね。)
リフィアの言葉を聞いて言葉を詰まらせたディアーネは悔しそうな表情でリフィアを睨み、その様子を見ていたエヴリーヌはリフィアを感心していた。
「……という訳さ。リフィアがディアーネを使い魔にしたお陰で、丸く収まったよ。」
「あはは………ま
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