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英雄伝説〜光と闇の軌跡〜(SC篇)
第58話
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り前の事をしただけだし。……でも、ま。使い手にそんなに大事にされているのなら、作ったかいはあるよ。」

エステルにお礼を言われたウィルは笑顔を浮かべて答えた。

「全くもう………領主になった今でも、よくそんな事をする暇がありますわね……」

「そうね。ウィルみたいなユイドラ領主は前代未聞じゃないのかしら?」

(フッ。何年経ってもお前は変わらんな。)

呆れて溜息を吐いているフィニリィの言葉にエリザスレインは頷いた。また、サエラブは口元に笑みを浮かべた。

「そういえば……セラウィさんって、”闇夜の眷属”なの?耳が尖っているみたいだし。」

「フフ、私の事も呼び捨てでいいですよ。……それと私は”闇夜の眷属”ではなく、”エルフ”ですよ。」

エステルの疑問にセラウィは微笑みながら答えた。

「へ〜…………エルフってよく森の中で住んでいるってお伽噺で聞いた事があるけど……実は違うの?」

「いいえ。エステルの言う通り、エルフは通常森の中で生活しています。ユイドラ近辺にある私の故郷――レイシアメイルも森の中ですし。」

「そうなんだ……あれ?もしかしてセラウィってエルフの中でも変わり者なの??」

「フフ………まあ、確かに私はエルフの中でも稀有な存在です。私は人間とエルフの共存を模索し、長からユイドラへの使者を任命された事がきっかけでウィルと出会いましたから。」

「そうだね。まさかあの時酒場で出会ったエルフが俺の伴侶になるなんて、あの時の俺は思っていなかっただろうしね。」

「私もですよ、ウィル……」

そしてセラウィとウィルは見つめ合った。

「あ、あはは……夫婦仲はとてもいいようね……」

「見ているこっちが恥ずかしいですわ。」

(……全くだな。少しは周りの目を気にしてほしいほどだ。)

「フフ………その様子なら2人目の子供がいつ、できてもおかしくないんじゃない?」

ウィルとセラウィの様子を見たエステルは恥ずかしそうに笑い、フィニリィは溜息を吐き、サエラブはフィニリィの言葉に頷き、エリザスレインはからかうような表情で2人を見た。

「ハハ……そういえば、エステル。君のお陰でユイドラを守れたよ。」

「へ?それってどういう事??」

首を傾げているエステルにウィルはディアーネ達との戦いがあり、エステルの依頼がきっかけでリフィアやリウイ達がユイドラの応援に来て、そのお陰で戦いに勝てた事を説明した。

(ぬう………まさか我の不在の間にそんな戦いがあったとは………クッ。我も知っていたら、駆けつけたものを………)

「永恒はあたしと契約し、あたし達の世界にいて、知らなかったんだからしょうがいないでしょ。」

無念そうに語るサエラブにエステルは苦笑しながら言った。
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