暁 〜小説投稿サイト〜
宇宙を駆ける狩猟民族がファンタジーに現れました
第二部
狩るということ
じゅうご
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モノなのか。現時点では不明だということか。
 あとは、本来ならこの森の最深部に生息する生き物による襲撃である可能性が非常に高い、といったところだ。

 もう少し何かしらの情報が欲しいところであるが、もう一つの用事を済ましてしまおう。

 私はおもむろに血に濡れて、何を言うこともない、横たわっている冷たい体を物色する。
 何もそういった趣味があるわけでも、装備品を奪って売り捌こうなどとは思ってない。異星の騎士団が地球社会の軍隊と同じかどうかは分からないが、何か共通する個人を認識するもの、ドックタグのような物がないかを調べるためだ。

……ないな。

 他の死体を引っくり返しも、それらしい物は見当たらない。
 これは嵩張るかと思い、彼らが持っている剣の柄を見てみれば、やはり紋章のようなものが描かれている。

 個人を認識するには至らないが、まあ名簿くらい持っているだろう。
 ぐるりと見渡し、辺りに散乱するその数を認めた私は、溜息代わりに顫動音を鳴らす。







 一抱えにした数十本の剣を地面に置き、ワイヤーでぐるぐると巻いて一纏めにする。
 それを肩に担いで船へと戻ろうとした私のコンピューターガントレットが音を鳴らした。
 蓋を開き、何事か確認してみれば、浮かび上がる立体映像のウィンドウから、医療ポットの処置が完了したとの通知であった。
 意識はまだ戻っていないようであるが、事細かに彼女の状態が転送されてきており、それに目を通していけば、どうやら命に別状はないようだ。
 あとは、見付からなかった左足の再生治療を行うよう、医療ポットに指示を出してからコンピューターガントレットの蓋を閉じる。

 本当にすごいです、珪素系生命体産医療ポット。

 各家庭に一台、間違いない。

 これは売れる!

 とまあ、冗談はさておき、一端の憂いは無くなった。あとは彼女が意識を取り戻したその時に話を聞けばいい。

 そうだ。

 狩るのはそれからでも遅くない。
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