第47話
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囲も広がったみたい。マルガ山道に至ってはほぼ全域が霧に閉ざされたわ。」
シェラザードの疑問にアイナは真剣な表情で答えた。
「そ、そうなんだ……」
「いよいよ大変な事態になってきましたね。」
アイナの報告を聞いたエステルは真剣な表情をし、クロ―ゼは不安そうな表情をした。
「ただ、メンフィル大使館周辺だけは霧がかかってないんだが、エステル。もしかして、ここに来る際に尋ねたか?」
「あ、うん。ここに来る途中メンフィル大使館周辺だけ、霧がなかったから不思議に思って、見張りの兵士さん達に事情を聞いたら元々大使館の周りは聖女様が作った結界によって、魔獣もそうだけど、雨や霧が入らないようにしているんだって。」
ジンの疑問にエステルはギルドに来る際の事を思い出して、答えた。
「ほう………さすがは最高位の術者と言われているだけはあるな………」
エステルの説明を聞いたジンは驚いた表情をしていた。
「………魔術は攻撃、治癒に注目されがちだけど結界をはって魔獣の侵入を防いだり、雨や雪といった天候をよせつけない事もできるわ。………まあ、師匠やリフィアさんクラスの術者でないとできないけど。」
「ケッ。それなら街にもその結界って魔術を使えってんだ。自分達の身だけ守りやがって………」
エステルの説明を補足するように話したシェラザードの説明を聞いたアガットは面白くなさそうな表情で答えた。
「それは仕方ないでしょ。ロレントはメンフィル領じゃないんだから、いくら同盟国とはいえ、そこまでする義理はないでしょ。」
アガットの言葉を聞いたシェラザードは呆れた表情で答えた。
「けどまあ、悪いニュースばかりじゃないわ。うちからの報告を受けて軍が部隊の派遣を決定したの。ロレント市を警備するためにね。」
「ほんと!?」
アイナの話を聞いたエステルは明るい表情をした。
「ええ、すでにヴェルテ橋方面から2個小隊がこちらに向かっているわ。」
「それは心強いわね。街を軍に任せられるならあたしたちも自由に動けるし。」
「ああ、その通りだぜ。早く『結社』の連中を捜してブチのめしてやらないとな。」
「ふむ、ロレント近郊に潜伏しているんだろうか……。今のところ、見当も付かんな。」
「ロレント地方は狭いけど、それでも隅々までは調べられないし……。うーん、何か具体的にできることって無いのかしら。」
ジンの言葉に頷いたエステルはどうすればいいか迷った。
「それなんだけど……。まずは民間人の避難を手伝ってくれないかしら。」
「民間人の避難?」
アイナの依頼にエステルは首を傾げた。
「昏睡事件は霧の発生範囲で起こされている可能性が高いわ。そして今朝、その発生範囲はさ
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